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悪魔を見たのheroheroのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

高評価だったので鑑賞したけど、ボクにはイマイチだった。
とにかく主人公の復讐方法に納得いかない。
キャッチ・アンド・リリースが相手をより強く苦しめるはずといった考え方はおかしい。
実際、犯人は一時的には苦しむがすぐ回復してしまい、苦痛から解放されている。これのどこが復讐なのだろうか。
むしろ一度捕まえたら、ジリジリゆっくり時間をかけて苦しめる方が相手により強い苦しみと恐怖を与えるはずだ。
本作で主人公が犯人に対し「恋人が受けた苦しみを上回る恐怖と苦痛を与えたい」と言うのなら、例えば、拘束後には指を一本ずつゆっくりノコギリでギコギコ切り落としていくだけでも、片手を終えた時点でその苦痛に早く殺してくれと願うだろう。だがそれには応じずゆっくりその後も苦しめるぐらいじゃないと、目的達成とは言えないだろう。
結局主人公の頓珍漢な復讐方法のせいで、余計な犠牲者まで出る始末だ。排便されたら意味の無くなるGPSも含め、こんな事が最初から想像つかないのだから主人公の思考回路には呆れるしか無い。
それでもいよいよラスト近く、タバコを片目にねじ込んだかと思いきや、これもまぶたをちょっと焦がしただけ。どんだけ甘チャンなんだ。そこは眼球へ直にねじ込もうよ。これじゃ死んだ彼女も草葉の陰でガッカリしてるに違いない。
しかも、最後の死へのスイッチを無関係の親族に押させている。彼らに罪は無いだろう。そして犯人の苦痛は一瞬だけだ。いや、一瞬すぎて痛さも感じていないだろう。
主人公はその後号泣するが、泣きたいのは見てる方だ。これじゃ全然溜飲は下がらないのだ。
ボクの復讐モノにおける評価基準の絶対必要条件は「主人公がラストにどんな悲惨な目に遭おうとも、溜飲の下がる完璧な復讐を成し遂げられたかどうか」という点。その点から見れば、本作は、ただグロテスクな表現に拘ってるだけの駄作だ。
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