真っ黒こげ太郎

デルタ・フォース2の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

デルタ・フォース2(1990年製作の映画)
4.5
史上最強の秘密部隊「デルタ・フォース」出撃!!

コロンビアの麻薬組織を破壊し、人質を救出せよ!
遂に、大統領の指令が下った…。



南米の独裁国サン・カルロスの麻薬王ラモン・コタを追っているアメリカの麻薬取締捜査班。
だが、ラモン側は用意周到に裏をかき、捜査班達を返り討ちにする。

ラモンにはサン・カルロスの軍のリーダー、オルメド将軍が後ろ盾におり、麻薬取締捜査班では手が出せない。
そこでアメリカ政府はデルタ・フォースの隊長であるスコット・マッコイ大佐を呼び寄せ、ラモン逮捕のミッションを下す。

飛行機に乗っていたラモンをアッサリ逮捕、パラシュート無しで放り投げてキャッチするという荒業で無力化し連行するが、ラモンは多額の保釈金を支払ってアッサリ釈放されてしまう。
その後、ラモンの手によってスコットの親友で同僚のボビーの妻と弟が殺害され、ラモンを追いかけたボビーも捕まり処刑されてしまう。

この事件を受け、遂に大統領命令が下った。
麻薬取締捜査班の人質を救出し、巨大麻薬組織を壊滅させる為に、特殊部隊デルタ・フォースが出撃する!!!



悪の麻薬カルテルと陸軍特殊部隊デルタフォースの死闘を描いた、コマンド・アクション映画。
ハリウッドのマーシャルアーツスター、チャック・ノリス氏の代表作の一つである「デルタ・フォース」の正式続編。
前作と共にAmazonプライムで吹き替え収録版が配信されていたので鑑賞。

一応、チャック・ノリス氏が主演として続投した正式続編で、お話も「デルタ・フォースと麻薬カルテルがドンパチ」という前作同様にシンプルな物だが、登場人物の名前が同じでデルタ・フォースが出てる事以外に前作の繋がりは無し。
また、前作はオールスター物だったが、今回はチャック・ノリスさんをメイン主人公として最初から最後まで描いてる。
(まぁ、自分は前作のキャストが誰かサッパリ分からんし、チャックさんの活躍が見たい身としては助かるが。)

また、前作に比べると予算が減っちゃったみたいで、話の規模もこじんまりしており、スケールダウンが否めない。
前作の様なノリノリBGMは流れないし、武装バギーや武装バイクも出てこず、ドンパチに使われるのは軍用ヘリぐらいなもの。
前半部分にあったサスペンスフルな要素も薄くなっており、良くも悪くも「80年代のよくあるB級コマンドアクション映画」になった感じがする。

前作の様な、ダイナミックな大作映画を期待したら失敗するだろう。
(まぁ、制作会社のキャノン・フィルムさんが破産寸前の末期の時に作られた作品だからしょうがないのかもしれないけど…。)


とは言え、チャックさんが主体なって見せ場が増えてくれたのはありがたいし、よくある感じとは言え王道なコマンドアクション映画展開はやっぱり楽しい。

前作では前半部分でチャックさんの出番が薄かったのが難点だが、今回は前半部分からチャックさんの見せ場が炸裂!!!
チンピラどもをお得意のマーシャルアーツで沈め、麻薬王を飛行機から落として空中キャッチしたり、デルタ・フォースの隊員をしごきまくったりと、序盤から大暴れ!!!
前作同様にドンパチアクションは後半40分に固まっているが、その間の潜入パートでもサブミッションや格闘術で見張りを始末し、敵側の中ボスも見事なマーシャルアーツでキメッキメに倒す!!!!

「レッスンその1だ!」「レッスンその2!」
「貴様は退学だ!!!」

当時アラフィフだった様だが、それを感じさせぬ足上がりまくりで二の腕ムッキムキで逞しいチャックさんの雄姿は、アクション映画のヒーローの鏡ですね。

クライマックスでは、ミサイルも銃弾が炸裂しまくりな大ドンパチ騒ぎで迫力満点!!!
前作程ではないにしろ、火薬の大爆破はかなりの分量で展開されるし、敵軍のヘリも巻き込んでのカーチェイスも迫力アリで楽しい。
味方の軍用ヘリが助けに来る展開はベタだけど盛り上がるし、ひたすらにミサイルぶっ放しまくりで火薬爆破に貢献しまくりなのも嬉しい。
監督はスタントマン畑の人(そしてチャック・ノリスさんの末弟!)なので身体を張ったスタントもあちこちで展開され、アクション演出もスピーディで普通に上手い。
規模や予算が減ったとはいえ、コマンドアクション映画としては十分満足。


強いて言うなら、敵ボスが滅茶苦茶ワルなだけで強いわけじゃないので、敵側の武闘派一人しか強敵が居ないのが残念。
チャックさんの格闘アクションは前作より増量されていたので、そこら辺は勿体なく感じた。


前作とは殆ど別物になり、大作感も予算もあからさまに減ってしまい、ベタなB級コマンドアクション映画になってしまった。
でも、前作よりチャックさんの見せ場が増えたのは嬉しいし、やっぱりこういう好きなジャンルの王道を貫いているのは喜ばしい。
言うなれば「高級料理ではなくなって味や質が落ちたが、大好きな家庭の味なのでやっぱり好き!!」という感じ(どんな例えやねん)で、マッチョヒーロー主演のコマンドアクション映画としては十分楽しめました。

とりあえずマッチョヒーロー主演のドンパチコマンド好きなら楽しめると思うので、前作とは切り離した上で是非。