爆裂BOX

ジンジャーデッドマンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ジンジャーデッドマン(2005年製作の映画)
3.4
レストランで食事中、殺人鬼ミラードに父と兄を殺されたサラ。その後ミラードは死刑になるが、恨みを抱くミラードの母はサラが経営するパン店にジンジャーブレットの粉を送り付け…というストーリー。
「パペット・マスター」シリーズを始め、多くのホラー映画手掛けるチャールズ・バンドが製作した、殺人鬼の霊が乗り移ったジンジャ―ブレッドが人を襲うスラッシャーホラーです。
実はミラードの遺灰が混ぜられていた粉の中に店員が負傷して流した血が混ざり、その粉を使って焼かれたジンジャ―ブレッドにミラードの霊が乗り移って恐るべきジンジャーデッドマンとなって復活し、サラ達に襲い掛かる、という内容です。
ジンジャーブレットマンって日本ではあまり馴染みない気がしますが、クリスマスの時に食べる人型のクッキーの事を言うようですね。それに殺人鬼の魂が乗り移って殺人鬼と化すという早い話が「チャイルド・プレイ」の一作目をまんまパクったような話になっています。
映画全体通して雰囲気や特撮が安っぽいというか、80年代を彷彿させるようなものになっていて、とても2005年制作作品とは思えません。好きな人には刺さって楽しめる作品という感じですね。僕は結構好きです(笑)
見所は何と言っても主役であるジンジャーデッドマンですね。顔はブサイクなオッサン顔で、当然オッサン声で喋りながら人襲っていく姿がギャップあってインパクトあります。ナイフ振り回して指切ったり、ブービートラップ仕掛けたり、棒でアクセル押しながら車動かして人轢いたり、意外と怪力で棒やフライパンで人殴って一撃で気絶させて運んだりとその暴れっぷりは楽しいですね。気絶させた女店員の全身にクリーム塗って胸にサクランボ乗せて人間ケーキに仕立てたりします。ネズミに向って罵声浴びせる所も可笑しかったし、終盤でいきなり現れたブリックに「何だお前!?」と戸惑う所や、その後殴られて押さえつけられて「食ってみろ!」と煽ったら本当に食われて「痛いからやめろ!」と悲鳴上げる所も可笑しかったですね。しかも食った人間に乗り移って不死身になったりします。惜しむらくは人襲っても殺すシーン少なくて、犠牲者意外と少ない所かな。ゴア描写もほぼないですし。しかし、手を切ってケガして、その血がジンジャーブレットの粉に入り込んでも平気でそれでジンジャ―ブレッド作るのは衛生的にも食品汚染的にも最悪でしょう…ジンジャーデッドマン以前の問題だわ。
主人公のサラは結構可愛かったですね。アモスはDQNぽい見た目だけどまともで優しくてヒーロー的な立ち位置になるとは思わなかったな。主人公のお母さんもアル中で酔っ払ってライバル店の横断幕にショットガンぶっぱなす所は過激だなぁ…と思いましたが、その後は特に活躍しなったな。イケメンプロレスオタクのブリックは終盤いきなり現れて活躍するけど、その後の扱い酷すぎるでしょ。あの人のおかげで助かったような物なのに。
ゲイリー・ビューシイが殺人鬼ミラード役で冒頭だけ出演しています。
正直観る人はかなり選ぶ作品ではありますが、チャールズ・バンドが手掛けた80年代おバカホラーの雰囲気好きな人なら楽しめるんじゃないでしょうか。本編70分と短いのも手軽に見られますし。続編二作でどんな活躍見せてくれるのか楽しみですね。