Uえい

吸血鬼ノスフェラトゥのUえいのレビュー・感想・評価

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)
3.0
吸血鬼映画の原点とも言える100年前のサイレント映画。すごく前から気になっていて、とうとう重い腰を上げて視聴した。

ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の非公式な映画化になっているが、舞台がドイツになっていたりと翻案されている。

ドイツの港町ヴィスボルグに住むハッターは不動産会社で働いていた。家を購入したいとオルロック伯爵から手紙が届き、会いにいく。

伯爵は色が白く指が長い奇妙な見た目をしていた。ハッターの妻の写真を見ると、綺麗な首をしていると言う。気味が悪くなり、宿にあった本に書いてある吸血鬼なのではないかと疑い始める。

家の契約後、伯爵は棺に入って海路でヴィスボルグに向かった。ハッターも妻が心配になり陸路で急いで帰る。伯爵の乗った船の乗組員はネズミによる感染病で全滅し、伯爵は単身町に乗り込み、町全体に感染病が蔓延してしまう。

なんといってもオルロック伯爵のビジュアルが良い。ティム・バートンの描くキャラクターへの影響も感じる。このビジュアルはユダヤ人のよくあるカリカチュアと解釈もできるらしいがムルナウには差別意識は無かったらしい。当時の時代背景なども調べたい。

影の表現も「カリガリ博士」などに似たドイツ表現主義的でカッコよかったり、霊感のようなものがあるハッターの妻が夢遊病のように彷徨う姿が「フェノミナ」の様で神秘的だったりした。

他にも古めのドイツ映画を掘っていきたいなあ。
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