カラン

ザ・ラスト・ウェーブのカランのレビュー・感想・評価

ザ・ラスト・ウェーブ(1977年製作の映画)
4.0
70年代、シドニーで異常気象になり、土砂降りや雹が降りだした。白人の企業会計を専門とする弁護士(リチャード・チェンバレン)が、アボリジニーの殺人事件の弁護人を受け持つことになり、異常気象は世界の終末の前兆であるとアボリジニーたちは考えていることを知る。


アボリジニーがこの時代にオーストラリア白人からどう見られていたのか、薄く分かる気がした。

異常気象と幻視とゴーストに溢れており、被注察感が続く、ヒーリング系というのか、穏やかな気持ちになる。(^^) 見られてるのやだっていう人は、あなたが最も愛する人があなたのことを見ていてくれているんだと思いましょう。その愛する人のポジションにこの映画ではアボリジニーの呪い師が立っているのです。

ディジュリドゥというアボリジニーの楽器は2mを超えるものもあり、強烈な低音を持続的に出せる。この悪魔的な低音を鳴らしながら、家の外で無言でアボリジニーが立っている。カメラは家のファサードを舐めるように撮影してから、家の階段を這って家中を徘徊してまわるので、かなり被注察感がでて、映画の全編で誰かに見られている、怪しい気分になる。

車を運転していて、世界が水没した幻視をする時には、フロントガラスの向こうの日常世界が海の底に沈んだようになったり、雷雨も頑張って降らしている。マヤ文明は絡めないほうがよかったかな?最初の砂漠化した街での雨はちょっと見たいところを切りすぎで閉塞感があった。最後の波もおしい。 


ディザスター系でテンポがのさっとしていて眠くなるが、気持ちが落ち着くなあ。世界がゆっくり滅びていくのを見ているのは穏やかな気分になるね。(^^)




4KリマスターのBlu-rayで視聴Filmarksは96分としているが誤記だろう。105〜106分のようである。
カラン

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