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ザ・ラスト・ウェーブのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ザ・ラスト・ウェーブ(1977年製作の映画)
2.5
No.619[南半球の監督は終末ものがお好き?] 50点

最近音沙汰のないピーター・ウィアーであるが、彼こそ当たり外れの滅茶苦茶大きい監督の一人であると思う。ハリウッドでもそこそこの成功をしている"助っ人外国人"枠であるので、ジョフ・マーフィのようにボロ雑巾みたいになるまで使われて逃げ戻る羽目になったとは聞いていないが、直近の作品が2010年の「ウェイバック」なので、もう映画は撮らないのかもしれない。そんな彼の作品の中で一番好きなのは「ピクニックatハンギングロック」で、日本版の円盤が再販される前にCriterion盤を購入して、今でもあの"ミィランダァァァ!!"という叫び声をよく聴いている。

冒頭、何もない砂漠の村に嵐がやってきて、子供の頭くらいデカい雹が降ってくる。これだけで不穏な空気感の演出は完璧じゃないか。以降も大雨が降っては形の悪い虹が出るを繰り返して異様な緊張感を常に導入し続けている。

しかし、それだけである。アボリジニを題材にその神秘に触れようとしたが、異様な雰囲気のみ残されて、あとはおざなりになってしまっている感じが否めない。個人的にこれを魅力に変換することは出来ないので、ウィアー作品ではハズレなんだろう。

ジョフ・マーフィといいピーター・ウィアーといい、南半球の監督は終末ものが好きなのか?
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