劇場未公開作品。
邦題に、ウディ・アレンの名前がありますが、
彼の監督作品じゃありません。
また、コメディといっても、
社会派の趣が強く、
1950年代の米国での赤狩りを痛烈に批判、告発した作品です。
アメリカ。
テレビの脚本を書いていた男が、共産思想のブラック・リストに名前が載ってしまったがために、テレビ局の仕事を干されて、
失業状態になってしまう。
そこで男は、喫茶店のレジ打ちの仕事をしているウディ・アレンに、
ウディが書いたことにして(フロント)脚本をテレビ局に持ち込ませる。
この脚本が大当たりとなり、
ウディは人気脚本家としてふるまうことになる。
突然現れた新進脚本家ウディに注目が集まる中、非米活動委員会は彼の身辺を調査して、ついには、召喚されてしまう。
査問会で、知っている共産主義の名前を問われるウディだったが・・・
自由の国アメリカにおける赤狩りの恐怖を、ストレートに描きながらもシリアスになっていないところがいい。
それが故に、余計に恐怖がジワリと盛り上がる。
同じようにブラック・リストに名前を載せられた売れっ子芸人が、ドザ回りの仕事にまで落ちぶれていき、ホテルで最後の一杯を飲んだ後、窓から飛び降り自殺してしまう一幕など、胸が苦しくなる。
ウディはコメディ演技をしながら、クライマックスでは感動的なヒロイズムを発揮し、とてもかっこいい。
ラストのクレジットで、
実際のブラック・リストに掲載された年が映される。
自由の国アメリカ。
こんな時代があったのかと驚かずにいられない、
そんな作品です。
おススメします!