YYamada

キャビンのYYamadaのレビュー・感想・評価

キャビン(2011年製作の映画)
3.5
【ホラー映画のススメ】
◆作品名:
キャビン (2012)
◆映倫区分 / 日本 : R15+
◆ホラーの要素
 青年男女5人による山小屋の惨劇
◆恐怖のレベル
 精神的恐怖 ★☆☆☆☆
 肉体的恐怖 ★★☆☆☆
 知識的恐怖 ★★☆☆☆

※本作は、ご自身が鑑賞後にレビューチェックされることが望ましい作品です

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・女子大生のデイナは友人のジュールスに誘われ、仲間と5人で山奥にある別荘にやってくる。しかし、デイナたちの行動は謎の組織によりすべて監視されており、5人は事態のすべてをコントロールする組織が描いたシナリオどおりに動かされていた。
・そうとは知らないデイナらはさまざまな恐怖に襲われ、ひとりまたひとりと命を落としていくが……。

〈見処〉
①「あなたの想像力なんて、
 たかが知れている」定番を破壊する
 マルチ・レイヤー・ホラー——
・『キャビン』(原題: The Cabin in the Woods)は、2012年に製作されたホラー映画。『LOST』『クローバーフィールド HAKAISHA』の脚本で知られるドリュー・ゴダードが監督・脚本、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンが共同脚本・プロデュースを務めている。
・二転三転する展開が話題を呼んだ本作は、製作費30百万ドルに対し、興行収入は
66百万ドルに達するスマッシュ・ヒットを記録した。
・出演は『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース、『シェイプ・オブ・ウォーター』のリチャード・ジェンキンスら。終盤の重要な役にシガニー・ウィーバーがカメオ出演。

②ホラー映画のオマージュがいっぱい
・若い男女5人が山奥へ行く設定は『13日の金曜日』『死霊のはらわた』でも見られる王道の展開。
・道中でガソリンスタンドの老人に注意をされるシーンは『悪魔のいけにえ』。
・後半部の惨劇シーンの舞台背景は『CUBE』。『ヘルレイザー』『アナコンダ』『IT』『リング』『シャイニング』などのオマージュも容易に見付けることが出きるの。

③結び…本作の見処は?
B級ホラーを装う「隠れメジャー映画」
◎: 5名の若者の役回りは「戦士」「淫乱」「学者」「愚者」「処女」…。「ホラーあるある」シチュエーションにて進行しながらも、後半部は「定番崩し」を意図的に仕掛けるユニークな構成の作品。ホラー・パロディとして「怖さ」よりも「シニカルさ」を楽しみたい作品。
○:「5名の若者」 を監視する「謎の組織」。さらにそれらを観察する「鑑賞者」…。「水曜どうでしょう」の原付バイクの旅と同じ「三重レイヤー」で見る作風もユニーク。終盤は動物園のなかのハプニングを見ているようだ。
▲: 観賞後の余韻が少ないのは「定番崩し」はあっても「展開崩し」には至っていないからだと思う。「謎の組織による監視」描写を中盤まで鳴りを潜めさせ、後半に怒涛の作風チェンジさせる構成には出来なかっただろうか?
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