垂直落下式サミング

都市霊伝説 心霊工場の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

都市霊伝説 心霊工場(2010年製作の映画)
3.0
大手出版社からの依頼で、心霊スポットとして知られる不気味な廃工場の取材を引き受けたホラーサークルに所属する女の子が、肝試しのつもりでそこに足を踏み入れるのだが、恐ろしい惨劇を目にすることになる。
70分の作品なのに、クソ長く感じる。ぶつ切り編集がどんくさいなぁ。最初のほう朝と夜がゴチャついてて、すごく変。時系列に整合性がないことが、悪魔的な世界観を表現しているとかではなく、普通にモンタージュ法として映像の並び順とか、撮影の時点の段取りとかが上手くないんだと思う。
実際に工場に入っちゃったサークルの子たち、以前に工場に入って失踪した人の残した映像を確認していくホラー記者の人、彼女が心霊スポットに行ったと知って後を追いかける彼氏、これ三つも並走させる必要なくね?するにしても、もうチョイうまいこと並べ替えられませんかねぇ…。
はじまりは良かったと思う。ぶくぶくの金魚鉢にタイトルが重なって、最初の心霊雑誌の企画会議みたいなことをしているオープニング。普通の住宅みたいなところが出版社なのかー。憧れる。こういう小さい事務所で、給料低いけど趣味の延長で好きな仕事ってのもしてみたかったなぁ…。人生3つくらいあればいいのに。こういう人生もやってみたい。
ここで出て来るハンチング眼鏡のおっさんは、一言しか発してないのに演技力低いのすぐわかる。ザ・棒。一言でこちらに力量をわからせてくる役者は、ショボ邦画ですらなかなかいないから、大事にすべき逸材だと思う。
ベストシーンは、トイレのところ。廃墟探索中にトイレに行きたくなっちゃった女の子が、友達に付いてきてもらうんだけれど、待ってるあいだに何者かにやられてしまう。外で友達の悲鳴が聞こえて個室から動けなくなっちゃうのは、ベタながらしっかりと恐怖をあおる展開。
ここは、かなり見所。外で待ってる女の子が、薄暗いなかお化粧直すためにポケットティッシュ取り出すときのビニールのゴソゴソ音が、若い女の子に似つかわしくない太っといジョボジョボ音に聴こえなくもないから、最初勘違いして身を乗り出してしまった。
女子のおしっこの音なんて、男は普通に生きてたら一緒に暮らしてる人の以外聴くことないし、映画ですらそんな描写されないじゃないっすか。なんと言うか、ボーッとみてたのに、えっ、おしっこの音!?あ、違うか…なんだよ、まあ、だよね…。みたいな、安物ホラーにまんまと翻弄されてしまった俺、なんと滑稽か…。
ごめんなさい…。もう、なに書いてんだろ。下品すぎました。女性のおしっこの水音なんて、描写していいワケねえんだからよ。わざわざこれ書いてる俺がオカシイんだと思う。スミマセン。
にしても、男1人の女5人みたいな心霊サークルなんて存在するのかなぁ。これ、ホラー映画のなかにしかない比率だろ。オカルト好き女子とか、見えている地雷だしね。メンヘラ女子はおっかねえぞー。