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ローン・サバイバーののんchanのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
4.0
ピーター・バーグ監督×マーク・ウォールバーグ主演での鑑賞3本目。

これは実話。
アメリカの精鋭特殊部隊《ネイビーシールズ》が、アフガニスタン紛争において、タリバン指導者の暗殺を計画し実行に移した『レッドウィング作戦』。そこに参加したマーカス・ラトレル一等兵曹の手記『アフガン、たった一人の生還』を映画化したもの。

まるでドキュメンタリーのような鋭い描写は、息を吐く間もないほどの緊張感が全身に走った、これぞ本物の戦争映画。


2005年6月、マイケル・マーフィー大尉(テイラー・キッチュ)、マーカス・ラトレル一等兵曹 (マーク・ウォールバーグ)、ダニー・ディーツ二等兵曹(エミール・ハーシュ)、マシュー・アクセルソン二等兵曹(ベン・フォスター)の隊員4人は、ヘリコプターで行ける場所まで進み、そこからは険しい山岳地帯をアジトまで歩み進めるしかない。
辿り着く途中、敵に見つかり攻撃の嵐。逃げ場のない山道、どこまでも追って来る数多い敵。しかし、男たちは逃げることなど一切なく、撃たれても前へ進み続けるが、急な崖でそこから何度も落ちることに。

何発撃たれてるのか?足から骨が突出していても見なかったことにして押し込んで立ち上がる。誰だって泣きたくなるけどそうならない男たちと解る。それはオープニングに流れる実際のネイビーシールズの訓練風景で心身の強さに説得力があったから。
最後の最後まで必死に出来ることをやり遂げる。マーフィー大尉が命懸けの無線連絡を行って散っていくシーンは印象的。

あまりにも通じなくなる無線。その後、エリック・クリステンセン少佐(エリック・バナ)ほか新兵が乗る救援ヘリも墜落してしまう。

マーカスは意識を失いかけていた時、子供を連れた村人が手を差し伸べてくれた。言葉は通じず助けてくれる意味が解らないまま、村人は家に入れ手当てしてくれる。
それは何故か?
部族には2千年以上続く掟があり『敵から追われている者を自らの命を懸けて助けよ』という精神でマーカスを助けたのだった。

戦争はいつだってどこの場所でも起きてはならない。
しかし、人間の慈悲深さに触れた時、敵国であろうが感謝を述べずにいられない。マーカスは家を壊された村人の父子を一緒に救援ヘリに乗せようとしていた。そこまで感謝が深かったのだ。
実際の2人が並んで写っているのは奇跡としか言えない。

亡くなった隊員それぞれ、本物の勇姿の写真がエンドロールに流れる。これぞ男たちのカッコ良さで涙が溢れました。

これぞアメリカ的な強いプロパガンダは特に感じられず、史実を忠実に描いているように思えた。
ピーター・バーグ監督は丁寧で観やすくて激しくて好みです。
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