ユンファ

ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版のユンファのレビュー・感想・評価

4.8
お馴染みスティングレイから、製作45周年コレクターズ・エディションブルーレイが発売されたので、とりあえず今回の目玉である特典のダリオ・アルジェント監修版94年リバイバル上映プリント・テレシネ版を鑑賞。
完全にマニア向けな内容で、「あんなところにこんなものが映ってますなあ」とか、「おやおや今まで見切れていた看板の文字が全て映っておりますぞ」みたいな楽しみ方しか出来ないため、初見勢にはまずオススメしない。が、新しいバージョンの「ゾンビ」を求め夜な夜な当てもなく街を彷徨するキモヲタにとっては、垂涎のバージョンであることは間違いない。

ダラダラと進行するロメロ版に比べ、アルジェントの編集は圧倒的にスピーディーで、オレは完全にロメロ派。
そのため、アルジェント版は数年に一回程度しか見返さないのだが、久しぶりに観たらこれはこれで悪くなかった。
偶に「どのバージョン観たらいいんすか?」みたいな質問をされることがあるのだが、愚問である。
順番はともかく、基本となる3つのバージョン(「ダリオ・アルジェント監修版」「米国劇場公開版」「ディレクターズ・カット版」)をまずは一周する必要がある。その上で、「自分は◯◯版が好きかなあ」などと考えつつもう一周。更に「やはり◯◯版こそ至高」などと言いつつもう一周。
せめてこの位は観るべきである。その先にも各種吹替版や、サスペリア版、最近製作された日本初公開復元版など、道は永遠に続いている。
それでも、そこに新たな「ゾンビ」がある限り追い続けなければならない。
それが、“「ゾンビ」を観る”ということなのだ。
ユンファ

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