ニクガタナ

恋人たちのニクガタナのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.6
若い頃から注目されてた橋口亮輔監督作品はぼんやりした嫉妬から何となく遠ざけてて初めて観た。三軸展開で繰り広げられる、哀しみを抱えた大人たちの人生群像劇。細かい設定やシーンセレクトが絶妙というかよくこんなネタ取り入れたなと感心する橋口監督のオリジナル脚本作。惜しいのは各軸の繋がり。そんな弁当で繋げたつもり?雅子様のご成婚パレードを追っかけて撮ったプライベートビデオを毎朝観て、休日には乙女チックな小説と挿絵を描く、夢見がちな弁当屋のパート女性って、なんと夢の無い設定だろう。旦那との愛を感じない全くエロくない性描写にも落ち込む。いろいろ気の毒で他人事に思えない。主演の三人観た事ないこともあって、芝居というか佇まいにリアリティあってなお辛い。皆何かしら辛い事を抱えながら頑張ってんだなぁと、今後、街で独り言呟いてるヤバそうな人にも優しい眼差しを向けられそう。麻薬に逃げそうになるのは観てられない。それぞれに救いが見える良い終い。
ニクガタナ

ニクガタナ