鷺宮テラス

マイ・プレシャス・リストの鷺宮テラスのレビュー・感想・評価

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)
4.5
"個人"も"社会"も翻訳する際に今までの日本語ではどうやら対応できないようだとようやく作られた言葉で歴史は浅く、自分のことを相手に応じて"パパ"だったり"おじさん"だったり"先生"だったりと変化させ【私】の"わたし"や"わたくし"は(フォーマルな場で必須なのは)他者に対する礼儀も含ませているから色々面倒くさいなーと思っていて、対して相手の存在よりも先に自己認識が言語によって行われる海外では例えば英語では状況に関係なくそれら全てを" I"で表現することが出来るので自発的で独立した自己ってものを持てるのね。それは授業で個性や個人がどうのこうの教わる必要がなくて心底羨ましい。

パーティなどにあなたは行く?と聞かれてNo,I don’t (go).と答えるとそこには恐ろしいほどピュアに『わたしは行かないわ。』しかなくて日本のように("わたしは"を入れると余計に)あなたは行きなよ、のような"あなた側"の意味を推察しなくてイイ。それが何よりイイ。

そういう(日本では獲得が難しい)"純粋な自己"を持った女の子が、飛び級でハーバードを卒業して他者、社会と関わり合っていくお話なので原題が彼女の名前であることが先ず超絶サイコーなのです。

そして終わり方もちょう好き!
なのです。
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