開明獣

ホース・マネーの開明獣のレビュー・感想・評価

ホース・マネー(2014年製作の映画)
5.0
ペドロ・コスタ作品、実は観ていた😳というか、何故か板を持ってた😅家のDVD📀やBlu-rayを整理していて発見💡買ったのすら覚えてない開明獣は、やっぱりおバカさんでしょんみり🥺

ポルトガルに関して我々は何を知っているだろうか?かつて、"ヨーロッパ大陸のアフリカ"と蔑まれたスペイン🇪🇸よりも南端の国。スペイン同様、イスラム教徒のアフリカに400年も占領されていた国。その後、七つの海を制覇し、バスコ・ダ・ガマを産み、フランシスコ・ザビエルを日本に遣わした栄光の日々を持つ国。てんぷらとカステラの語源の国。ドニ・ヴィルヌーブが映像化した、「複製された男」の原作者、ポルトガル唯一のノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴを産んだ国。開明獣ですら知っているサッカー選手、クリスチアーノ・ロナウドを産んだ国。酒精強化ワイン🍷、エリザベス女王も好物だったポルト酒の国。

それら断片的な情報の集積からは計り知れないポルトガル🇵🇹がここにはあった。地政的にアフリカ大陸から近く、どれだけの人が渡ってきて、その人たちがどれだけ歴史の中で抑圧されてきたのか、それは今も私たち日本人が知らないポルトガルがここにある。

アフリカなら渡ってきた1人の老人の回顧録。貧しき暮らしの中で、終焉の近い老人が時折思い出すのは、かつて故郷で飼っていた馬、ホース・マネーのこと🐎

老人の思い出は、どこまでが現実でどこまでが虚構なのか、知る術もないが、幻想的な映像が原初的に内に潜む何かを奮い立たせるようでもある。

芸術的な社会派作品は、晦渋なれど観たものの中に確実に爪痕を残す。
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