ちろる

ホールディング・ザ・マン -君を胸に抱いて-のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
ぽっかりと空いた穴、それはきみで。
君を忘れてしまいそうになる事が時々怖くて仕方なくなる。

メルボルンのカトリック系の男子校で出会ったティムとジョン。
まだ時代は1975年で、LGBTに理解が少ない中で惹かれあった2人。
愛し合っているからという理由だけでは周りが許してくれるはずもなく、高い障害を意識しながら恋人同士になっていくわけだが・・・その先には過酷な運命が待ち構えていた。

元々ゲイであったティムと、ストーレートのラグビースター選手だったジョン。
ぐいぐいティムに気圧されて、あれよあれよと言うまに・・・(最近観た『窮鼠はチーズの夢を見る』を思い出しました笑)
結構ちゃらくて、告白したくせに色々ジョンを振り回すティムにたまにイラつくんですが、ラストに向けて2人の愛がどんどん深くなってくるのが伝わって、だからこそラストに向かうやるせなさが泣けてきます。
誰が悪いとか、良いとかそう言うことではなくて、2人の関係を社会的にも宗教的にも100%認めさせるでき事がなかったとしても、実際のティムがこの映画の脚本を作り上げてこうして映画作品として世界中に知れ渡ったことは、ジョンにとって最高の贈り物に違いない。

なかなか生々しいセックスシーンがあるので、家族の前だとちと気まずいけどそれらも含めて2人の軌跡。

内容は結構重いお話ですが、殆どが2人のしあわせな時間を眺められるので、ロマンティックなラブストーリーとしておすすめしたい作品です。
ちろる

ちろる