『ハッピー・オールド・イヤー』のタイのナワポン・タムロンラタナリット監督作。
タイ版アカデミー賞となるThailand National Film Association Awardsで8部門独占（作品/主演男優/主演女優/助演女優/監督/脚本/編集/音楽）
監督自身がフリーランスとして過酷な仕事をしていた体験をもとにした物語のようです。
フリーランスのグラフィック・デザイナー、ユン（サニー・スワンメーターノン）はパートナーのジェー（ヴィオレット・ウォーティア）が受注する無理な注文に応え、4日半も寝ずにMacに向かいフォトショで修正作業を続けるような仕事漬けの日々。
友人ガイが働く近所のセブン-イレブンで好物の海老団子やレッドブル、コーヒーなどで食生活もメタメタ。
ある日、首の後ろに発疹が出来、次第に全身に増え、時間のない中、何とか皮膚科に診察を受けに行く。
担当したのは美しく熱心な研修医イム（タビカ・ホーン）。
彼女からの指摘で少しづつ生活改善を図りつつ、月1回の彼女の診療が楽しみにもなり・・
原題は『Freelance: Ham puay... Ham phak... Ham rak mor』（フリーランス: 病むな、休むな、医者を好きになるな。）
という可笑しみと辛み漂うもの。
死なない方がおかしいハードワークを自ら好んでやってるユンの、ジェーとの信頼関係も、イムとの恋愛未満な関係もいい感じ。
このジャケ写の通りなので、誰でもイム先生に通いたくなりますね。笑
もうちょっと尺は短くて良かった気がしますが。
〈余談〉
本作は2015年公開作ですが、昨今のジェネレーティブAIの進化を見ると、このユンのような徹夜作業は過去のものとなり、AIに期待通り(期待以上)のものをアウトプットさせるプロンプト(指示)デザイナー的な能力が必要になるんでしょうか。
おじさんにはついていけない未来がすぐそこに。。
