セガール幹事長代理

カーラヌカンのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

カーラヌカン(2017年製作の映画)
1.5
我らが毘沙門天ことGACKTによる沖縄PR用動画。

犬と猿。
イラクとアメリカ。
信長と本願寺。
俺の思う相性の悪いものリストにGACKTと沖縄が加わった。

そんな相性の悪さに加え、床屋でシャンプーしてもらってる時に高確率で発生する「どこか痒いとこありますか」「あ、もうちょっと右で、いや僕から見て右で」に似た、意志疎通下手糞同士の会話ラッシュが観る者の脳を支配し、ただでさえチンパンジーレベルしかないIQがすり減ってく感覚を思う存分堪能することができた。

何故手を撮っているんですか?
G「仏像は手で宗教理念を表現するから。」

その手の傷はなんですか?
G「これは三日月だよ。」

(手作りの旗織物を渡して)これを貴方にあげます。
G「まるで君のコーヒー牛乳だな。」

こんなやりとりが注釈無し、解説無しで延々と続き、『会話とは?』『言語とは?』みたいな人智を越えた神様視点の自問自答が俺の心を抉っていった。

解釈丸投げ系の作品は星の数ほどありますが、そんな星々の中でも鑑賞サイドに求めるキャッチ力が群を抜いて高い作品と言えるでしょう。
そんな球とれない。

さらに追い討ちをかけるように、ヒロインが突然失踪し警察が彼女の母親に事情聴取するシーンで
母「多分、神様の元にいってるんでしょうね」
警「まあ、そういうことでしたら」
と秒で納得するあたりで俺の中の善悪の境界線が完全に決壊した。
韓国映画の警察がまともに見える。

と文句ばかり書き連ねたが、本当に世の中が嫌になって、生きるのが辛くなった時にこれを観ると、『もう少し仕事と向き合ってみよう』とか『あと1年東京で芸人目指してみよう』とか、そういった謎のポジティブシンキングが生まれると思います。

観賞後の感覚が実写版デビルマンの時と本当に似ていました。