Omizu

ビルマの竪琴 総集編のOmizuのレビュー・感想・評価

ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)
4.5
【1956年キネマ旬報日本映画ベストテン 第5位】
竹山道雄の同名小説を市川崑監督が映画化した作品。1985年には同監督、中井貴一主演で再映画化されている。ヴェネツィア映画祭で受賞、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされるなど国際的な評価も高い。

久しぶりに完璧な映画というのを観た気がする。市川崑入魂の一作と言っても過言ではないだろう。映画としての完成度が高い素晴らしい作品だった。

終戦間際のビルマ(タイ)で隊を率いる音楽学校卒業の隊長と隊員、竪琴の名人である水島という兵を描いた反戦ドラマ。

とにかく音楽が素晴らしい。劇中に流れる唱歌はもちろん伊福部昭のサウンドがいい。適度に劇的で物語をもり立てている。

そして三國連太郎の演技力。複雑なキャラクターを見事に演じたその力に感服。

全体を整えてみせた市川崑監督の手腕は素晴らしい。市川崑監督作品には今まで失望したことがなかったが、それにしてもこんなに完璧?と思うくらい何もかもがよかった。

木下恵介『二十四の瞳』に並ぶ反戦メロドラマの名作。何もかもが完璧な作品。
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