真っ黒こげ太郎

クロムスカルの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

クロムスカル(2009年製作の映画)
4.3
殺して、撮る。

「悪魔のいけにえ」レザーフェイス
「ハロウィン」マイケル・マイヤーズ
「13日の金曜日」ジェイソン
「エルム街の悪夢」フレディ

お前ら、まだまだ甘い!!!

だからみんなも早く新作撮ってね。特に後者2人はそろそろ新作が見たいぞ!!!w



深夜、葬儀場の棺の中で目覚めた女性。
彼女は自分の名前も含めてすべての記憶を失っていた。

彼女は葬儀場の外に出ようとするが、そんな彼女の元に金属の髑髏マスクを被り肩にビデオカメラを付けた殺人鬼、クロムスカルが現れる!!!
クロムスカルはサバイバルナイフで老人を殺し女性に襲い掛かる、がどうにか逃げ出す。

親切な夫婦に保護される女性だったが、クロムスカルは執拗に女性を追いかけてきて…。



記憶喪失の女性が金属髑髏マスクを付けた殺人鬼に命を狙われる、スラッシャー・ホラー映画。
監督のロバート・ホール氏は特殊メイク畑の人で、「パーフェクト・トラップ」や「NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ」の特殊メイク周りで携わっていたみたい。


本作は2009年に作られた作品で、スプラッター映画好きの間でず~~~~~~~~っと話題になっていたが、公開から14年経ってようやく続編と共に国内配給された。
ようやく公開されたのは喜ばしいのだが何故ここまでスパンが空いてしまったのやら。
グロすぎて公開見送りされていたというウワサもありますが、それほどグロゴア配給に好意的な配給会社が失われていたというのか…。
(プルークやアムモ98やエクストリーム(旧:トカナ)等の配給会社がスプラッター映画に寛容で本当に良かった。)


話としては「記憶喪失の女性がマスクを付けた殺人鬼に追いかけられる」という物だが、ぶっちゃけ話に関してはスッカラカンのカラッカランな薄っぺらさ。w
基本的な主要人物は3人だけ、基本の話運びも、ひたすら反撃しながら逃げ回るのを繰り返すだけという薄々パターン。
ヒロインが失った記憶を取り戻して…的な展開もあるが、ぶっちゃけオマケ程度の扱いなので、ドラマ方面に関しては期待してはいけないだろう。


まー要するに本作は「ひたすらに殺人鬼の殺しっぷりや死に様を楽しめ!!!」って事なので、ひたすらにグロゲロスプラッターな血祭りっぷりを楽しめば良いのだろう。w

って事で肝心要のグロゴア描写に関してだが、特殊メイク出身の監督だけあって、喉裂き、首切りを始め、顔面抉り、内臓デロリン、脳天爆散、顔面デロデロ溶解等、気合の入りまくった残酷描写が盛り沢山!!!
殺害描写は「スプラッターの爽快感」よりも「ぐちゃぐちゃ感」や「気持ち悪さ」に舵を切っており、出てくる人物は皆グロテスクでグチャドロな方法で死にまくる!!!

殺人鬼のメインウェポンはギザギザが付いた2本のサバイバルナイフを駆使し、あの手この手でバリエーション豊かに人体破壊!!!
しかも、最近の某ピエロホラー以上にギコギコしまくってるもんだから、実に生々しく痛々しそう。
ギコギコは、します!w
一度刃が入ってしまえば、ス――――どころかごりっごりに…w
(寧ろグロゴア映画としてはギコギコした方が正解なんだけどね。w)

ビシッと着込んだ黒服に銀色の骸骨マスクを着け、2本の洒落たサバイバルナイフを駆使して襲い掛かる殺人鬼のビジュアルも中二病感が極まりまくっててやたらカッコイイ。
肩にチョコンとビデオカメラをのっけてる姿やラストのドジっ子(そうなのか?)な姿など、実に個性が立っておりこの手の映画のマスク殺人鬼としては文句なしのインパクト。


って事でグロゴアスラッシャー映画としてはしっかり見たいモノを見せてくれるし、ジャンル映画としてはこの上なく正しいんだけど、やっぱりそれ以外の話が壊滅的過ぎてそこら辺がどうでも良さげな出来栄えなのは問題。
ヒロインを助けてくれた男性はかなりの聖人で良い人だったけど、それ以外は余り際立った個性のある人が居ないし…。

ほぼ全編に渡って車に乗ってひたすら逃げてるだけだし、蹴り飛ばして吹っ飛ぶなら幾らでも反撃できそうなのにしなかったりとか、幾ら携帯が使えないとはいえもっと遠くに逃げるなり連絡できるお店に最初から向かっとくなりしろよとか、ヒロインと殺人鬼の対決も物凄いアッサリ終わっちゃったりと、話の展開に関してはかなりヘボヘボなのは残念。
(殺人鬼を倒す決め手も、ぶっちゃけ殺人鬼側の自滅だし。w)

後、2009年の低予算映画だから最近の映画に比べてちょっと古臭く感じるのはしょうがないかもしれないし、自分はそういうのはきにしないけど、妙に作品の音質が悪いのは何故?w


って事で、話はアレだけど残酷描写に全振りしまくった、実にグロゲロ真っ盛りな良き血みどろホラーでした。
正直、マトモな話をお求めな人にはお勧めできませんが、兎に角派手な残酷描写やグロゴアなスプラッターを楽しみたいんだ!というにはお勧めなので、そういうジャンルがお好きな方は是非どうぞ。
まぁ、「グロしかないやん!」と言われたらそうとしか言えないのですが、俺は好きですぜ。こういうの。

因みに本作、前述の通り続編も同時公開されたとの事で、そちらも相変わらずグロそうで楽しみ…ってか纏めてレンタルしたので見ます。w