半兵衛

ハレルヤの半兵衛のレビュー・感想・評価

ハレルヤ(1929年製作の映画)
3.6
全編黒人たちが歌い踊る姿は楽しいけれど、それでも白人に差別され厳しい重労働のなか何とか生き抜いている黒人たちの悲痛さが画面からにじみ出てきて胸が苦しくなる。画面に一切白人が出てこないのがかえって当時の黒人の差別的な状況を物語っているのも皮肉。

労働者から聖職者となった主人公が歌うゴスペルが凄い迫力、地獄への道行きを電車に見立てパワフルに詞を叫び足を踏む音で機関車が動くさまを表現する姿のかっこよさ。

ヒロインのビッチっぷりが半端なく、彼女に裏切られたと知った主人公との沼地でのやり取りは白黒の映像といい緊迫ぷりといいほぼノワール。そしてそのあとの沼地での殺害シーンの禍々しい迫力!

何回もしくじっている主人公を故郷に帰るたびに温かく迎える両親たちの存在が尊い。
半兵衛

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