真っ黒こげ太郎

クロムスカル リターンズの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

クロムスカル リターンズ(2011年製作の映画)
4.2
まだ、殺し足りない。
さらに過激、もっと残虐。
腹を裂き、顔面を破壊する!!!

銀面殺戮極悪クリエイター、
俺は、まだまだ撮りまくる!!!

…少なくともそのつもりだったんだけどな…。



前作でどう見ても死んだ筈の殺人鬼、クロムスカル。
しかし、謎の組織が警官を殺害し、クロムスカルの遺体を迅速に回収。
そしてクロムスカルは手厚い治療を受け、顔面がグチャグチャになりながらも復活!!!
オマケに前作で生き残った筈のヒロインは、組織の一人にナイフで刺され…。

それから3カ月後。
目の手術を翌週に控えた女子学生のジェスは、最後の週末を友人の家で楽しく過ごしていた。
しかし彼女は復活したクロムスカルの標的にされており、廃工場に拉致されてしまう。

警察の殺人課のマックスは、3か月前の事件で生き残った青年ビリーと協力し、事件を追うが…。



前作で死んだ筈の金属髑髏マスクを付けた殺人鬼、クロムスカルがまさかの復活を遂げ、再び大殺戮を繰り広げる、スラッシャー・ホラー映画。
悪趣味グロゴアスプラッターホラー、「クロムスカル」の正式続編で、監督も前作同様特殊メイク畑のロバート・ホール氏。

前作同様、2011年の公開時からスプラッター映画好きの間でず~~~~~~~~っと話題になっており、公開から12年後、前作と共に国内配給された。
(エクストリーム(旧:トカナ)さんがグロゴア映画配給に力を入れるようになってくれて本当に、本ッ当に良かった。
この調子で今後もグロゲロな未公開ホラーをどんどん持ってきて欲しいですね。)


という事で、前作から引き続き見たのだが、ラストでどう見ても殺人鬼が死んで続編はどうすんだと思ったら、実は殺人鬼はヤバい組織のボスで手術を受けまさかの復活!!!
何だそりゃ!?!?

しかも、前作で生き残ったヒロインが冒頭で殺されてしまう!!!
いやいや、「ホステル」の続編とかでもそういうのはあったけど、マジかよ!?

その後殺人鬼は組織のバックアップを得て次の得物の女子を誘拐!!!
その事件を刑事と前作の生き残りの青年が追い、組織の一人が次のクロムスカルの座を狙って…という流れとなってます。


前作は話の内容がスッカラカンにも程がある出来栄えだったのだが、今回は殺人鬼周りのバックストーリーが語られたり、警官達が謎の組織を追ったりして、物語の起伏は多少生まれましたね。

ただ、今回はその所為で肝心の殺人鬼の出番がかなり減り、残酷描写や殺され要因の数も減ってややパワーダウン感が否めない。
前作は話の荒さを畳み掛けるような残酷描写で誤魔化してましたが、今回は殺され役が減ってその粗が露呈してしまった様に思える。
殺人鬼のバックストーリーに関しても、殺人鬼の後釜狙いとか、上司に銘じて管巻いてる殺人鬼とかのしょうもない話ばっかで、前作にあった殺人鬼のカリスマ性が薄れてしまった様に思える。
(因みに今回も前作同様妙に作品の音質が悪かった。やっぱりわざとなのだろうか?w)


ただ、偽物のクロムスカルの前に現れて「俺がホンモノじゃあ!」と言わんばかりに偽物を処刑するクロムスカルさんの雄姿はカッコいいし、ラスト30分からのクロムスカルさんの大暴れ&殺しっぷりは良かったですね。
(因みにクロムスカルさんの素顔が拝める場面があったが、焼けただれているとは言え割と普通のお顔だった。w)

数が減ってしまったのは残念だが、今回もグロゴア描写の出来に関しては屈指のクオリティ。
口内引き裂きに、腹裂き、耳ごと皮削ぎ、顔面真っ二つに首チョンパ等、今回もバリエーション豊かに、グチャドログチャグチャな方法で殺しまくり!!!
相変わらずギコギコしまくりの気持ち悪さ痛々しさ満点な出来栄え!!!

グロに関しては今回も良き出来栄えだっただけに、返す返すも数が減ってしまったのが残念。
前作からの繋がる話としてはまぁまぁ楽しめるし、殺戮シーンやクライマックスの殺人鬼大暴れの時点で十分遅れを取り返してただけに勿体ない。


という事で、2作目の時点で迷走してしまった感はあるが、それでも残酷描写は気合入りまくりだし、グロゲロ真っ盛りな血みどろホラーとしては十分楽しめた。
前作よりパワーは落ちるが、それでも前作が気に入った人なら楽しめると思うので前作から続けてどうぞ。
ただ、思いっきり前作から話が繋がっているので、ちゃんと前作の「クロムスカル」の方から順番に見て行こうね。w


因みに今作のラストを見るに、まだ続編がありそうな終わり方だったが、残念ながら監督のロバート・ホール氏は2021年03月24日に亡くなったとの事。
続編が見られなさそうなのは残念だが、それでも監督が鬼籍に入った後もこうして作品が配給され、多くのスプラッターファンが見てくれてるのは幸せな事だと思います。
合掌。