めかぽしや

ニーゼと光のアトリエのめかぽしやのレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
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とても良かったです。

1940年代の最新医療は
ロボトミー手術や電気ショック療法が
普通に行われていた時代。
ブラジルの精神病院に勤めて始めた
ニーゼは患者が人間として扱われていな事に非常にショックを受けます。

ニーゼはまず光を遮断し、ゴミだらけだった部屋を片付けます。
患者をクライアントとして扱います。
クライアントの言葉に耳を傾けて
自由にさせます。

クライアントに絵の具と紙を与え、
洋服を選ばせ
屋外の自然に触れさせます。
動物(犬)も与えます。
するとクライアントたちは自分の内面を表現できるものを見つけていくのです。


そんなニーゼの行動を良く思わない男性同僚たち。
ニーゼに協力する芸術評論家。
最初は職務怠慢だった男性看護師も
クライアントに寄り添っていくところがとても良かったです。

科学は否定するけど芸術は受け入れる

時には科学的な検証も大切です。
つい最近も母乳で育てるとアレルギーは起こらないという事は科学的に証明されませんでした。
世の中、いつの時代も科学的か非科学的かのせめぎ合いですね。
今の時代ではロボトミーやショック療法は
非人道的ですが
当時に生きていたら普通に選択していたのかもしれません。

精神病院は無い方が良いという
意見も多いです。
その反面、何十年も精神病院に入院していて退院できぬまま亡くなっていく人もいます。
恥は隠す文化の日本では難しい問題です。
でも障害者を受け入れる世の中になりつつある事にもとても期待しています。

ニーゼが作ったようなアトリエは
日本でもあります。
彼らのぶれる事のない集中力と
自己表現力で驚くような作品が
作り出されることに圧倒されます。

全ての人が生きやすい世の中になれる事。
想いばかりですが膨らみむす。
めかぽしや

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