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監獄の首領のkuuのレビュー・感想・評価

監獄の首領(2016年製作の映画)
3.9
『監獄の首領』
原題 프리즌 - The Prison.
製作年2017年。上映時間124分。

韓国のベテラン俳優ハン・ソッキュの主演でキム・レウォンが共演、刑務所にいるはずの囚人たちが、そのことを逆手に取り、外界で犯罪を繰り返すさまを描いた韓国産クライムサスペンス。

ソウルのあるムショ(刑務所)じゃ、囚人たちの首領として君臨するチョン・イクホの指揮の下、夜な夜な囚人たちが塀の外へと繰り出し、証拠も痕跡も残さない組織的完全犯罪を成し遂げていた。
そんな刑務所にある日、元ポリス(刑事)のソン・ユゴンが、ひき逃げ、証拠隠滅、収賄の容疑で収監されてくる。
血気盛んなユゴンは何かとトラブルを巻き起こすが、そのたびにイクホに助けられ、次第にイクホの犯罪に手を貸すように。
イクホもまた、ユゴンを新たな犯罪計画に利用しようとするが。。。

ムショを完全にシメとる大物ボス、チョン・イクホは夜中に受刑者の手下を密かに娑婆に連れ出し、アリバイがほぼ完璧な受刑者を使って完全犯罪を起こしてるって所は巧いなぁ。
みんな迫真の演技、日本のVシネも見習って欲しい。
余談ながら小生の知り合いがアロアナブームの時に、アジアのポリスに密漁でパクられ(逮捕され)、一年半そちらの国のムショにブチ込まれ、戻った折りに聴いたところ、社会的地位や権力(結局ゼニ、お金持ってる人)がかなり自由にプリズンライフを送れると云ってました。
お金があれば刑務官に袖の下渡し食事や飲み物、それにタバコ等ゲット出来、女子も呼べたりしたそうです。
将に、地獄の沙汰も金しだい。
話が逸れましたが、
んで、ある日のこと、そのムショにひき逃げ等の罪で元ポリス(刑事)のソン・ユゴンが下獄(刑務所に堕ちること)↓男前やなぁ↑。
男前やしか、イケイケやからか、イクホは彼を犯罪計画に誘い入れようとするんやけど、なんか意味深やなぁって感じで始まる内容っす。
元ポリスで半グレ、ユゴンは、チョーエキ(刑務所)内のボスのイクホの凄さをまざまざと見せつけられる(ビビった様子はないが)。
作中の受刑者のボスってのはありふれとるが、ユゴンは受刑者どころが刑務官までアゴで使ってる。
日本のムショでも、どっかの大きな反社会的勢力のボスがいたら、日和見刑務官は変わらん待遇するんやろな(日本は世界でも上位の厳しさやし多くの刑務官は厳しく接するとは思います)、しかし、こないなドンやったら日本じゃ独居拘禁やろな。
そんなこんなのムショに元警官のユゴンが下獄~ぅ。
映画作品をよ~く観てる人やったらプロットは読める人多いんじゃないかな。
とは云え、個人的に今作品は、巧妙に作成されたアクション犯罪スリラーやとおもいますし、まったく同じ前提と設定の他の映画作品とは一線を画していると思います。
今作品の前半を観る限りじゃどっちかと云やぁシリアスながら、少しは楽しい感じも含まれてますが、
んっが、後半は、なかなかどうして結構エグいシーンも増えシリアス映画ド・ストライクに変わっていく。
今作品は、観てる側を驚かせ続けると同時に、彼らの末席で衝撃的なシーンを傍観してる錯覚すらさせ、予想外のクライマックスに手に汗にぎりました。
ただ、全体的にはエエ映画やし、俳優の迫真の演技もエエんですが、後半のド・の過ぎた獄中の描き方には、個人的には逆にリアルさに欠けたかなって思った作品です。
とはいえハラハラさせてくれる韓国ならではの秀作でした。
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