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マルリナの明日/殺人者マルリナのTOTのレビュー・感想・評価

3.9
ロングショットと間の弛緩、ハードな復讐と夢幻的心理描写が合わさった不思議インドネシアウェスタン。
屋外は歪むほどとぼけた引きと変化する光が軽やかで、屋内は陰影に富んでダーク。違う作品の絵が合わさったようにアンバランスな絵作りが若々しく変で好きだった。
監督Q&Aでは、撮影監督のユヌス・パソラングと過去3作全てで組んでいて、今回はアジア映画でウェスタンをやりたいと話したと。
カラーはバロック調(わかる)、ブロッキングは聖書を参考にし、動きのあるカメラワークはやめにしよう等々色々話し合いながら、現場の状況と調整しながら進めたそう。
劇中歌はロケ地スンバ島のもの。
インドネシア語でなくスンバの言葉で遠距離の恋人を想う歌だが、とても気に入ったので使ったと。
また、亡くなった方をミイラにする風習がある土地で、そのまま何ヶ月も家に置くことがあるそうです。
監督の知る家庭では、棺に入れたまま30年間も家に置いていたんですって。まあ凄い。
今年はラテンビートで上映してた『サマ』のリャマといい、今作のミイラといい、不思議見切れ映画が2本も見れて楽しいわ。

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