垂直落下式サミング

ターミネーター ニュー・フェイトの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
正統な続編(その2)
34年をリセマラ。もう一回、未来からアイツらが来る時点で、本当の問題は根本解決していなかったと、前作のオチがバッドエンドになるっていうシリーズの問題点に真摯に向き合った結果、更によくわかんないことになった。
メキシコシティの自動車工場で働く女性が、例によって未来から来たターミネーターに襲われる。そんな彼女の窮地を救ったのは、同じ未来から送られてきた強化型兵士の女性。ターミネーターが逃げるふたりを執拗に追跡を続ける中、伝説の女戦士サラ・コナーまでもが駆け付けて…。
345までぜんぶなかったことにするのは、ちょっとやり方が乱暴だと思う。微妙だったからって、すぐやり直すのやめなー。ここまでやり直すんだったら、ぜんぜん違うものにしてほしいのに、みたことある展開が多くて萎える。
シュワとかリンダとか、別にこんなん出なくてもいいのに…。老体にムチ打って頑張ってる姿をみると、そりゃあ悪くは言いにくいけれど、正統性を担保するためだけにジジババが引っ張り出されてかわいそうだなあって。
荘厳なオーケストラサウンドで録音し直されたっぽいダダンダンダダン♪の変奏曲もうるせえだけで虚しさに拍車をかける。こういうのは、原曲のほうがノルタルジア的に効果をあげる気がするのだわ。
誤魔化し誤魔化しアクションしてる老俳優たちの非現役感はヒドイもんだったけど、新キャラの女戦士がよかった。ガタイのいいマッケンジー・デイビスは強化人間。好き好んで機械のカラダになったわけではなく、命を賭けた任務のために改造を受けるに至った悲哀を背負っている。全力で動けるのは数分という時間制限があるのもいい。ヒーローだからな。
何回も何回も帰ってきてくれるシュワちゃん。確かに、新型を旧型が倒すのは気持ちいい。今回も最強の新型が出てくるけど、他作品でやりつくされたような既視感の塊。ビームとか火炎放射すら搭載して無いから、3のターミねーちゃんより弱いまである。シュワちゃん型よりも強いってことに説得力を持たせた上で、敵役として調度良い強さだったT1000はすごかったんだな。
結局、ターミネーターと言えばシュワルツェネッガー。コイツがいなきゃはじまらない。他のヤツは有象無象。今回のドロドロと骨格がわかれてるヤツも、多分に漏れずやられ役。メタルのステゴロはシュワの土俵だ。じゃあな最強。俺がいない時代に生まれただけの、凡夫。