垂直落下式サミング

温泉しかばね芸者の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

温泉しかばね芸者(2017年製作の映画)
2.0
ダメ脚本家が、実在するとある小さな村に伝わる恨みを残して死んだ芸者の幽霊話を題材としてシナリオを書いたところ、現場でロケハン中に芸者の亡霊が現世によみがえり、脚本の筋書き通りの惨劇が始まってしまうホラーコメディ。
ゴチャゴチャあっちこっち筋の見えづらいはなしがすごく苦手。役者の演技もサムいし。俺は好きにやるぜって、クリエイターの自意識が乗り移ってるのがきちいー。
「ドブみたいな個性を捨てること。」とか言いながら、個性マシマシなのは反骨心なのか。個性はあったほうがよくて、無個性は悪いことみたいな、そういう青臭いのは僕の思想とカチ合う。
いいじゃん。個性とか、そんなのない方がいい。自分のセンスはドブみたいであることが早めに確認とれたなら、仕事する上では幸福だと思うんだよな。どうせドブなんだから、自分がコントロールできない仕事では技術屋に徹すればいいじゃん。それで金もらってんだもん。ドブを出そうとするほうが間違いだって。
最後の最後に、小劇場の内輪ノリに逃げるのもキツかった。
ぜんぶキツかったけど、画面の色合いとかカメラの役者との距離感とかは気に入った。いい意味で軽くてダサいから、邦画っぽいつまんなさがなくていい。40分で終わるのがうれしい。