とてもいい映画だった。
丁寧な構成に現実味のある人物像、かわいくて呆れてたまにイラっとするけど共感することもある頑固で意固地を絵に描いたようなおじいちゃんのロードムービーが面白くないはずがない。
そんなジジイが余生をかなぐり捨てて旅に出るのはなぜなのかどこへ行こうとするのかが冒頭では明示されずに徐々に明らかになっていく構成が素晴らしい。冒頭での孫とのやり取りやちょっとしたセリフの端々にも物語のテーマと主人公の人間像が隠されていて非常に秀逸な出来だと思う。
旅先で出会う人の全員が全員いい人過ぎてちょっと出来過ぎじゃないかなと思わなくもないがラストシーンの素晴らしさでそんなことはどうでもよくなる。
しみじみといい映画を観たなと思える作品だった。
