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教誨師のsunflowerのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.9
大杉漣さんの最初で最後のプロデュース作品にして遺作となってしまった本作。

本作を通して初めて教誨師(きょうかいし)という仕事を知りました。
死刑囚と月に2回、無報酬で面談を重ねる牧師。
しかも、刑が執行される際には、最後の面談をした上で、執行に立ち会わねばならない。

そんな苦行、何故に何の罪も犯していない牧師さん達が背負わねばならないのか。

逆に言うと、そんな苦行は牧師さんにしか務まらないということなのでしょうか。
(お坊さんじゃダメなのかなぁと不思議に思ったのですが、執行に立ち会うという点で、広義の殺生に当たるとかいう解釈か何かの事情で、ダメなのかもしれないなと思いました。)

死刑囚なんて、この映画に出て来るような気のいい人ばかりじゃないですよね、絶対。
高宮をもっと酷くしたような、攻撃的態度を崩さない人もいるでしょうし。

その高宮が、体を震わせて恐怖に打ちのめされている姿は、リアルで怖かったです。
執行前には、皆あんな風になるのでしょうか。

高宮が言っていた言葉は的を得過ぎていて、大杉漣さん同様、ぐうの音も出ないなと感じました。
人が人を裁く、死刑を執行するって、何なのだろうか。
魚だって牛肉だって食べるけど鯨は獲ったらダメよとか、虫は殺してもいいけど人間はダメよとか、人間が決めたモラルの線引きの根拠を追及されたら、ちゃんと答えられない。

考えようによっては、絶滅危惧種を守ろうとしている行為そのものが、実は、地球の長い歴史の中では淘汰されるべきだった種を無用に生存させて、逆に新たに誕生するはずだった種の進化を阻害している、なんていう可能性はないのだろうか、とかとか。。
考えが波及し過ぎてキリがない。

皆が共存して生きていくための、共通の了解、ルール、法律。

私たちは今日も、壮大に縛られた規則の中で生きている。



💡
烏丸せつこさん演じる関西のおばちゃん風な野口さんの喋り方が独特過ぎ‼️
旦那さんと真似し合って、うちでは大ヒット中です🤣👍
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