ヨーク

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズのヨークのレビュー・感想・評価

3.7
新しい『シティーハンター』ではなくいつもの『シティーハンター』という印象だった。
いや悪い意味ではなく良い意味で懐かしいいつもの感じだったんですよ。スタッフには申し訳ないけど、正直もっと上滑りした感じの映画になってるんじゃないかと勝手に不安な気持ちで観に行ったんですが結論としてはそんなことはなかったですね。きっとコンセプトとしてかなり強固に80年代後半から90年代前半のTVアニメ版の雰囲気を可能な限り再現しようというものがあって、その意思がプロデューサーから監督から様々なスタッフにきちんと伝わり共有されていたんだと思う。
もう本当に往年のファンなら文句なしな安定感。ぶっちゃけ薄っぺらいストーリーもそこはキャラクターの魅力で何とかするっていうのもジャンプアニメのオリジナル展開でありがちな手法だけど実際キャラクターの魅力が立ってればどうにかなっちゃうもんなんだな。乱暴な言い方をすれば困っている美女が冴羽獠に助けを求めてもっこりギャグを交えつつ冴羽が格好良く問題を解決して最後にちょっとクサイセリフ言いながらエンディングテーマが流れれば『シティーハンター』として成立しちゃうんだな。はっきりとそういうフォーマットが成立するというのはもう時代劇みたいなもんだよな。製作費をペイできるならいくらでもシリーズ化できそうな気もする(というかしてほしい)。
ある程度の決まり事をクリアしていればいくらでも似たようなものを量産できるという意味ではジャッキー映画やセガール映画に近いものがあるのかもなぁとも思いました。セガールと違って冴羽獠は年を取らずにガンガンアクションしてくれるし固定客さえいればこれは中々いい商売じゃないですかね。まぁもちろん中の人がいつまでも演じられるわけではないという問題はありますけど。
全体的に満足感は高かったけど、ここぞとばかりに歴代のOPとED曲をねじ込んでやろうというのは嬉しかった反面ちょっと無理やり挿入した感があったことも確かです。作品を象徴するようなテーマソングを流すというのはかなり印象的な演出なのであまり濫用されるとありがたみが減るというのはありますね。
しかし自分が子供の頃に憧れたヒーローを大人になってからもスクリーンで観れるというのはとてもうれしいことだなぁとしみじみ思えただけでも感謝です。
面白かった。
あと自分は歌舞伎町で観たんですが劇場を出た後は特に意味もなく新宿を散歩しました。
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