ヘラルドスクエア

マイ・サンシャインのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)
2.0
ロドニー キング事件からのロス暴動を黒人家族の日常目線で描いているのは新鮮でした。
後半暴動が起きてからは治安が悪化して、警官が容赦なく銃をぶっ放すなど、暴力や流血シーンが描かれていました。
しかし世界一危ない街サウスセントラルに暮らす割には、ずいぶん平和なファミリーだなというのが素直な感想です。
サウスセントラルは、悪名高いコンプトンとワッツ以上に危険な地区で警察官さえも簡単には寄りつかない場所です。
サウスセントラル、ワッツ、コンプトンの人種構成比は黒人87%、ラティンクス10%、白人1%です。
このような地区の黒人家庭の隣に、コテコテのイギリス人ダニエルクレイグさんが涼しい顔で住んでいるはずがないのです。
これはかなり無神経なキャスティングと言うしかありません。
ジェームズ プラウン”Say It Loud,I’m Black and I’m Proud”で黒人の子供たちと一緒にノリノリで踊るという、アホ丸出しの能天気は噴飯ものです。
007をぶん殴ってやりたいと、この時初めて思いました。
どこまで行ってもジェームズ ボンド的白人ヒーローを演じさせている脚本と監督(前作はアカデミー外国映画賞ノミネート)には大いに幻滅しました。
貧困黒人の隣に住む正義の白人が一人立ち向かって救うなんて、ふざけたお伽話は今さらやめにしてもらいたいです。
今日のBLM運動に繋がることになった歴史的暴動を、社会派を気取って出汁にしたと思われても仕方がないです。
ついでに邦題も最悪です。
ユーアーマイサンシャイン??ですか。
007のことでしょうか。