パッケージはポルノっぽい。でも中身はシリアス。
舞台はアメリカ・フロリダ州のビーチ。春休みにビーチを訪れる学生たちを描いたドキュメンタリー。前半は彼らのパリピ描写が続き、不快だった。後半、作風が代わる。フロリダのビーチに蔓延る「カジュアルセックス」の文化が解説される。
このドキュメンタリーで主に語られるメッセージは「自由とは何か？」。現代の若者は、男らしさ・女らしさに縛られ、自由ではないという。
現代における男らしさとは、連れの女性の容姿・経験人数によって語られるという。また、女らしさとは、性的魅力という単一の要素で測られるという。そのような男らしさ・女らしさに縛られた、現代の若者の病理を描いた作品だった。

とりあえず邦題悪すぎる。
中身を開けたらちゃんとしてます。

最初はたしかにスプリングブレイクで
はっちゃけてる大学生の、パリピ映像。

“性とは何か“の内容に入っていった途端面白くなる。

その文化や環境の中の、いろいろな積み重ねによって
自分の性に対する思いが作られていくけれど、
“本当に自分がなりたい自分“じゃなくて、
様々なメディアによって、“見本化“された、
女性や男性になった方が幸せって、思わされている気がする。

雑誌の表紙や、映画ドラマのワンシーン、
MVや歌詞の内容など、全て。
(女性はこうあるべき、男性はこうあるべき
という考えが日常にありふれている)

子供の自由な在り方から、成長していくにつれ、
目に見えないような多方面からの圧力もかかっていて。
そして、いつしか自分へと浸透し
ただの“見せつけ“や“評価“へと変わっていく。
基準ができてしまうことで、
何かと比べながら生きて、それに苦しむ。

最後は性暴力についても取り上げていて、
集団レイプとか、愛のない性行為、女性への扱いなど、
これがドキュメンタリーであることに衝撃でしかない。

1番衝撃を受けた言葉は(男子大学生↓)
性行為は“日用品“
より美しい体の人と出会う為に
“黒人やアジア人とも試したい“
と答えていたこと。
女性を利用して、男性であることを示す
という作中のフレーズにも当てはまるなと思う。

まるで、1人の人間を売り物のように、
また試供品のように例えていた、
その考えの軽さに、かなりの衝撃を受けた。

しかし、このビーチに来ている時点で、
大体のことは予想がついてしまうし、
あくまでもこのビーチにきた大学生達の話で。
世界全体では、愛に溢れている人もいっぱい。

これが全てとかではなく、こういうことを
考えるきっかけをくれる作品は大事。
そういう意味で、考え深いドキュメンタリーだった。

• #2021charofilm

　日本よりアメリカの方がマッチョ主義が甚だしいのだろう。

　女をものにした数で男の価値が決まるみたいな考え方は、馬鹿じゃ無いかと思う。
　女性も男へのセックスアピールを価値の一番に置いている。
　すると、セックスにおいては両者の価値観が一致しているので、簡単にしてしまう。
　しかし、この風潮の延長線上には同意の無いセックス、さらにはレイプがあり、女性にとっては非常に危険なのだ。
　本作では、春休みのビーチでレイプ事件が多発していると報告される。
　「プロミシング・ヤング・ウーマン」で描かれているように、レイプが原因で命を失うことだってあるのだ。

こう考えると、マッチョ主義というのは非常に有害なものなのでは、と思う。

• #マッチョ主義
• #フェミニズム