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ランガスタラムのkuuのレビュー・感想・評価

ランガスタラム(2018年製作の映画)
3.9
『ランガスタラム』
原題 Rangasthalam
映倫区分 G
製作年 2018年。上映時間 174分。
『RRR』などのラーム・チャランが主演を務めるアクション。
1980年代半ばのインドの村を舞台に、青年チッティの恋模様とともに、村を支配する貸金業者に彼とその兄が立ち向かう姿を描く。
監督などを手掛けるのはスクマール。
『マッキー』などのサマンサ・プラブーのほか、『ヒーロー気取り』などのプラカーシュ・ラージ、ジャガパティ・バーブらが出演している。

1980年代半ば。
チッティ・バーブ(ラーム・チャラン)は、インド南東部のアーンドラ・プラデーシュ州の田園地帯にあるランガスタラム村で暮らしている。
モーターを使って田畑に水を送る仕事に就く難聴の彼は、近所の娘ラーマラクシュミ(サマンサ・プラブー)に思いを寄せる。
一方彼らの村は、貸金業者兼地主のブーパティ(ジャガパティ・バーブ)が支配していた。。。

映画を見終わって数分後、映画館から外に出ると、自分の気持ちを表現する適切な言葉を探すのに頭がオーバードライブになりました。
テルグ語映画(インドのデカン高原の一角を占める州テランガーナ州に拠点を置く映画産業を指す。『トリウッド』の通称で知られ、ハイデラバード近郊のフィルムナガルで多くの映画が製作されているモノをさす)でこれほど生々しく骨太な映画を見るのは久しぶりです。
ストーリーはあまりに見慣れたモンでしたが、スクマールは巧なキャラ、衝撃的なシーン、技術的な良さなど、他の要素に焦点を当てました。
ヒーローが聴覚障害を持つ男を演じるのは、少々珍しい。
このハンディキャップは、ストーリーと脚本の推進力に効果的に使われている。
映画のあらゆる展開が、このヒーローの欠点に基づいているのは斬新かな。
長年にわたり、スクマールの作品については、一部の観客にはとっつきにくくなっているという批判がある。
彼は常に、人々の人生がいかに歪んでいるかに焦点を当ててきたが、今作品では、これまでとは違う、おそらくより洗練されたストーリーテラーとして登場する。
政治ドラマを語るのも一つの手やけど、復讐劇というパラメーターの中でこのような世界を作り上げるのは、まさに才気煥発と云っても過言じゃないかな。
今作品は、掘り下げれば掘り下げるほど見応えがあるやろし、サブスクに配信されたら再視聴したいかな。

スクマール監督は俳優のイメージを再定義する能力で知られている。
彼がラーム・チャランとやったことは見てみないと信じられない。
久しぶりに、ラーム・チャランはスターダムを脱ぎ捨てて、演じている役の精神を真に体現し、そうすることで、彼は自分自身を凌駕しただけでなく、彼の中には発見されるのを待っている未開発の可能性がたくさんあることを証明している。
子供らしさがにじみ出るシーンであれ、誰も癒すことのできない傷ついた男を見るシーンであれ、彼の目が発する感情にはそのすべてが表れていました。

ジャガパティ・バブは威嚇的で、この映画で最も激しいシーンのひとつを演じている。
サプライズ・パッケージはアナスーヤで、彼女のキャラであるランガマッタとその演技は素晴らしい。

スクマール監督の映画の長所の一つとしては、技術的に優れていること。
今作品も同じカテゴリーに入ると個人的には思います。
村の雰囲気、素朴な外観、雰囲気などは巧でした。
ラトナヴェルとデヴィ・スリ・プラサードは、絵に描いたような完璧なビジュアルとサウンドトラックを提供しただけでなく、その仕事ぶりで映画のムードを作り上げたことに敬意を表します。
DSPのバックグラウンド・スコアも強力やった。

スクマール監督の巧な演出と、ラーム・チャランのキャリア最高の演技は見ていて楽しかったが、少々上映時間が長いのが欠点と末筆に記しておきます。
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