ヨーク

黙ってピアノを弾いてくれのヨークのレビュー・感想・評価

黙ってピアノを弾いてくれ(2018年製作の映画)
3.7
チリー・ゴンザレスの作品は好きで聞いていたが正直どういう人なのかは良く知らなかった。ぶっちゃけ面白ピアノおじさんくらいの認識だったが、そんなチリー・ゴンザレスの半生は鬱屈と怒りと自己愛を爆発させて得体のしれない表現欲へと繋げるような人生だった。
変人や狂人として紹介されることが多いが生まれた家庭や優秀な兄に対する愛憎たっぷりなコンプレックスを自己表現へと昇華させているのならそれは割と一般的な、もっと言えば普通の人の感覚なのではないかと思う。ただ普通ではないのはこの人はその自己表現の欲求を実現させるためになら他人の目なんか気にせずにパンツまで脱いで全裸で踊り狂うことも厭わないところ。
そんな人間を嫌いになれるはずがない。とても面白い生きざまを観させてもらえた。特に創作をしたことのある人間になら響くところは結構あるかもしれない。
面白かった。
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