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グリーンブックのkuretakoraのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0
どのシーンも印象的で素晴らしい。でもこの映画を形容詞一つで表すと「痛快」だと思います。

二人の凸凹ぶりとその変化−鉱石のやりとりも、フライドチキンも、ケネディの助け舟も、奥さんへのラブレターも、最後の酒場でのショーの一連の騒動も、エンディングも、ほんと痛快。

って、監督さんコメディ映画の巨匠じゃないですか。それで納得しました。違う監督さんだったらただの感動作になっていたでしょうね。

やはりこの映画の大きな魅力は運転手の口八丁手八丁。ブルックリンの裏社会を半グレ?として器用に渡り歩いてきただけある。イタリア系への差別も垣間みられるし生活はカツカツなんだけど、家族も友達もコミュニティも優しいし、基本的にこの人、リア充なんだよね。なので対する孤高のピアニストの大きな苦悩が映える。

個人的に好きなのは、最上のスーツに身を包んだピアニストが、ディープサウスで泥だらけになりながら農作業をしているアフリカ系アメリカ人たちに視線を注がれるシーン。白人に車を修理させて自分は突っ立ってるだけですから。

この時代に日本人がディープサウスにいたらトイレはColored(有色人種向け)だし、もちろんグリーンブック掲載の宿にしか泊まれないんだろうな。
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