オレオレ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのオレオレのレビュー・感想・評価

3.0
高品質なんだが、実用性のないものを見せられた感じ。すげー上から目線だが、(笑)。
だって、ミステリーとかないんだもん。

とにかく長かった。
最初から、二日に分けてみる予定だったんだが。
かといって、どこを削るかというと・・・なので、206分もしょうがない気がするけどさ。

20世紀初頭、土地を追い出されたオセージ先住民族たち。ところが、与えられた「不毛」の土地からオイルが出て、一晩にして一番リッチな人間になる。
宝飾品を身にまとった先住民が、小汚い白人をドライバーにして買い物に繰り出す!
もちろん、そんな彼らを食い物にしようとする白人が周囲にはわんさかおり、白人と結婚したオセージたちがどんどん謎の死を遂げていき、「遺産」は白人の「夫」のもとへ・・・
なんだが、明らかに殺人やろ!毒盛られてるやろ!なので、ミステリー要素はゼロ。いつバレるか、というサスペンスが無きにしも非ずだが、だってその町は悪徳デ・ニーロが仕切っているんだもん、バレたところで誰が誰に正義を下すんだ、って話で。
だからこそ後半、FBIが出張って来て、裁判になるあたりでようやく見慣れたストーリーになるんだが、裁判もわりとあっさり。検事や弁護士は派手な人たちが出てくるが。

悪徳お奉行(といってもただの実業家だが)のデ・ニーロ、やたらと顔が横に伸びているバカっぽいディカプリオなども安定の演技なんだが、やっぱりここはオセージでバカプリオの奥さんを演じたリリー・グラッドストーンが秀逸。その辺の女優にはない目方がある感じ。誇りのあるオセージ族をたまにぴかっと光る(気がする)目で演じていて、キャシー・ベイツかジョディ・フォスターあたりを思い起こさせる。
低めの声でバカプリオをオセージ語でいなすシーンとか、おおっ、って感じ。

ところで、まったく先住民族の歴史に無知なんだが、カソリック教会に行ってたんか、あの人たち!自分たちの宗教があるんだと思っていたよ。

そんなこんなで、お奉行の悪事(のほんの一部)が暴かれるストーリーなんだが、結局、何が言いたい映画だったんだろう。
元がノンフィクション本なので、歴史ドラマってこと?100年たっても、搾取する側される側、たいして変わってないってこと?