鷺宮テラス

ジョジョ・ラビットの鷺宮テラスのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

社会風刺、プロパガンダ的な作品は観ながら考えに耽りがちになる。

ユダヤ人の血を引く監督さんがヒトラーを演じる。壮絶な皮肉。演じ方や作風も並々ならぬ恨みでもあるかのようでこれも過激な思想だよと感じつつ子供も見れるように作ってありそうで飛び出す絵本のような映像がよかった。


WWIの敗戦と世界恐慌でどん底だったドイツをどの国よりも早く復興を遂げたヒトラー。こんなにも歓迎されていたのかと彼の英雄っぷりが垣間見れておどろいた。

ハイルヒトラーエヴリワンやハイルヒトラーガイズに失笑しつつ個人的には当時のドイツも日本に原子爆弾が落ちた要因のひとつだと感じているから(ドイツが原爆を開発している情報を受けて米国が国家の存亡をかけて開発、完成後ドイツは着手も出来ていないことがわかり安心して日本に落とす。)勝った国と負けた国で笑いの量が違ってイイと思った。


ドイツは東西に割れ、日本は日米安全保障条約を締結。考案したジョンフォスターダレスは、日本人のアジア各国に対する差別主義=優越感を利用して英米などの西側に対する憧れ=劣等感を満たすことで永続的に従属させアジアの中で孤立し続けさせる、と説いた。

当時の日本がどんなんだったのかなと興味が湧きながらジョジョとお姉さんの美しい関係を、表情を眺めてた。


ヒトラーに資金援助をしていたヘンリーフォード、ナチスのスパイだったココ・シャネルに思いを馳せ(なぜユダヤの方はそこまで嫌われたのか→移民問題なのか)"フォードvsフェラーリ"と"去年マリエンバートで"の余韻に浸る。
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