オレオレ

アスのオレオレのレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
4.0
私の数少ないフォロワー(選択的なのではなく、単に追いきれない数のレビューが上がるのが嫌なので)全員が鑑賞、それぞれに感想を残されていた作品なのに、なぜかMyレーダーから抜け落ちていた。基本、ホラー苦手だし。
と思ったら、ホラーだけじゃない!そりゃそうだ、ジョーダン・ピール作品だ。

自分のドッペルゲンガーが訪ねてきたら、それも、自分の家族全員の。というか、全人類の。というストーリー。
ホラー映画でほぼ2時間って、どう引っ張るつもりよ(←ホラーに懐疑的)、と意地悪く見はじめたけど、途中で入るLINEの通知もガン無視で突っ走ってしまった。そりゃそうだ、ジョーダン・ピール作品だ、って言いましたっけ?

階級差、偽善、聖書の引用に加え、過去ホラー映画(特に「シャイニング」)へのオマージュがあったりと、再鑑賞したくなる映画、あちこちでレビューを拾いたくなる映画だったが、私には色彩の使い方も面白いなあ、と思った。
最初に地下ウィルソン家が地上ウィルソン家にやってきたときも、逆光や暗がりでいつまでたっても顔が映らないのとか、この家族全員、黒人のなかでも肌の色が濃い役者を揃えてあるので、暗いと表情が分かりづらい点、その代わり、瞳の白がめちゃめちゃ引き立つ点などが印象的だった。
あと、白い服を着て戦う地上アデレイド(ルピータ・ニョンゴ)が、後半になるにつれてどんどん血で赤く染まっていき、地下人の赤いユニフォームに近くなっていくのとか。

時々入る小さいギャグもJ.ピールっぽくていい感じ。
アレクサ風機器のトンチキ具合だとか、なんなら、地下父さん(ウィンストン・デューク)がボートで引きずられるのとか。漫画か!

ただ、地下のテザード達は不死身ではなくて殺せば死ぬんだったら、あんな、町中に地上人の死体が転がってることにはならなくないかな、って思った。
みんな銃持ってるんだから、テザード達の死体が転がってるほうがありえなくない?

ちなみに、舞台となったサンタ・クルーズボードウォーク、何度か行きましたが浜辺にミラーハウスはないからご安心を。