あちぴろ

8番目の男のあちぴろのレビュー・感想・評価

8番目の男(2018年製作の映画)
4.0
2008年、韓国で初めて取り入れられた所謂「陪審員裁判」を題材にした法廷モノ。
ムン・ソリ、パク・ヒョンシクがメインだと思うけど、脇役の豪華なこと。
どんだけ色んなドラマや映画に出てるんだ?と思うほどよく見るキャストが脇を固める。
我が家では「ジャガイモ」と呼んでるユン・ギョンホ、チョ・ハンチョル(ヴィンチェンツォなど)、ソ・ジョンヨン(その年、私たちはなど)、テ・イノ(シーシュポスなど)、クォン・ヘヒョ(気象庁など)、キム・ソニョン(不時着、私生活など)、イ・ギュヒョン(ヨハン、バイバイ、ママなど)etc...

母親殺しの刑で有罪確定とされた案件を初の陪審員制度にて世間からも注目を浴びる裁判。
陪審員に選ばれた8人目の男パク・ヒョンシクだけが本当に母親を殺したのか分からないまま有罪判定を出せないでいた。周りは早く帰りたい一心で有罪と決めつけるも、次々と明らかになる事実。筆跡が違ったり、幼い頃に起こった事故による火傷による義手では持てない凶器だったりと、徐々に犯人とされるカン(ソ・ヒョヌ)の本当の姿が明らかになっていく。
果たして、判決は有罪か無罪か。。。

最初の方は8番の煮え切らない態度やルールを守らない行動にイライラするも、中盤から徐々に明るみになる刑事たちの捜査の矛盾にどんどんハマっていく。
裁判長のキム・ジュンギョム(ムン・ソリ)の言った言葉が大きな鍵となる。

まだ日本でも陪審員制度の裁判に指名されたこともないので、ドラマや映画だけの話しかわからないが、もし自分が陪審員として法廷に立つとしたら、どの陪審員にあてはまるだろうか。
8番の様に捜査資料を読み返して本当の事実を自分で納得するまで突き詰めることをするだろうか。日常の時間を誰にも言えずに使って、こんな映画のような朝まで徹底的に調べたり現場に赴いてみたりするだろうか。きっとしないだろうなと思う。「プロの弁護士や刑事、裁判官が決めたことを素人が口を出していい問題ではない」と感じるんじゃないかなぁ。
しかし、その判断がその人の人生を決めてしまうなんて重責が重すぎる。
この映画の判断は正しかったのかどうか。
「真実の行方」の様な犯人だったら?
そんな事を考えてしまうと、あまりにもこの制度は荷が重い。

面白い映画だったし、韓ドラ好きの人には脇役の人たちを観る楽しみもある様なそんな映画だった。
あちぴろ

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