こぅ

城砦のこぅのレビュー・感想・評価

城砦(1938年製作の映画)
3.8
グッド・ドクター

「医療とは、教科書と倫理で行うものと思ってた
違うと気づいた」

キング・ヴィダー監督による、【医療・ヒューマン・ドラマ】。

城砦(城塞)=都市、町の一角に建てられた要塞。


高い理想をもって医師となったアンドリュー・マンソン(ロバート・ドーナット)は、同業者の事なかれ主義の前に挫折し、生活のために儲け主義の医師達の一人となってしまった。
しかし、◯◯の◯をきっかけに「目に見えぬ城砦」を奪い取る戦いに再び挑む…。


代診してから早々多忙のアンドリュー。
友人になったデニー(ラルフ・リチャードソン)。
赤ちゃんの命を助けた時に初めて医師として実感が湧いた。
最悪の出会いだった、妻となるクリスティン*への無謀プロポーズも印象的。
炭鉱の落盤事故現場には、ハラハラした。
医療界に発見(発展)をもたらす結核エピソードで斬り込み、そのモルモット実験に対して妻が嫌がらせで襲撃受けたりもして、結局認めて貰えず、ブレスネリからロンドンに渡った、、
全エピソードが、活きていて実話⁈ってリアリティあるのが本作の魅力。
そして、アンドリューとクリスティン夫婦は、困難に屈しない。
ただ、序盤の下水道の◯◯だけは、バランス的に浮いていたというか、丸ごとカットか、実践せず希望だけでも良かった。

アンドリューのキャラは、医師として堅物(生真面目)で、ひたむきは良いが、性格は、、自分勝手で、妻にも短気なのが好かなかったな(とても人間臭いとも言えるが)。
脚本としてのアンドリューのキャラには、前後半のメリハリが欲しかった。
それにより終盤、ボンビーから金持ちになって、人が変わってしまった!というのが際立った筈だ。
ライターが3人だからキャラが纏まらないのかな⁈

このまま医師夫婦の波瀾万丈物語(前座85%)で終わるかと、、
充分面白い 濃密な前座 だったが、、
本作が一番語りたいのは、終盤からエンドの15%パートだろう。


アンドリューの【強引な演説】だけに放りっぱなし(言いっぱなし)のエンディングを迎えるが、
本作のテーマはしっかり伝えたキング監督。
日本医師会で是非上映すべきベタ作品‼︎


*注記
アンドリューを支えた良妻、クリスティンを演じたロザリンド・ラッセル(31)の美が際立っていた。
こぅ

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