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シャン・チー/テン・リングスの伝説のYYamadaのレビュー・感想・評価

3.9
【マーベル・シネマのススメ】
マーベル・シネマティック・ユニバース㉕
【フェーズ4】
シャン・チー/テン・リングスの伝説

◆監督:
 デスティン・ダニエル・クレットン
◆ゲスト大物俳優:
・トニー・レオン
・ベン・キングズレー
・ティム・ロス (声のみ)
◆ミッション:
 ター・ロー村の防衛
◆ヴィラン:
 テン・リングス、ソウルイーターズ
◆アベンジャーズ出演メンバー:
 当面、秘匿
◆ポスト・クレジット・シーン:
 当面、秘匿

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は、父の後継者となる運命から逃げ出した。
・過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らすシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれ、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる…。

〈見処〉
①マーベル・シネマ世界に新たな
 チャイニーズ・ヒーロー誕生!
・『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はマーベル・コミックの「シャン・チー」を原作とした、2021年製作のスーパーヒーロー映画。「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」第25作目。
・本作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界を描き、『アイアンマン』シリーズで登場した犯罪組織「テン・リングス」の謎が明らかにされている。
・主人公のシャン・チーには中国系カナダ俳優のシム・リウが抜てき。トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーら実力派俳優が共演。監督は『ショート・ターム』『黒い司法 0%からの奇跡』のデスティン・ダニエル・クレットン。

②公開方法の折り合い
・本作はもともと2021年2月に米国公開が予定されていたが、新型コロナ影響により、シリーズ前作『ブラック・ウィドウ』の公開延期を受け、2021年5月に延期。さらに、『エターナルズ』と公開順を入れ替え、2021年9月3日に日米同時公開となった。
・また、7月に公開された『ブラック・ウィドウ』ではネット配信(Disney+)と併存公開されたことにより、同作主演のスカーレット・ヨハンソンにより「巨額のインセンティブ収入に損失を被った」として、ディズニーは提訴され、日本においても全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が「これまで通りの形式で劇場公開をしない作品は上映しない方針」にてTOHOシネマズや松竹シネマなど大手配給会社の運営劇場では上映されず、グローバルの興行収入もMCUワーストレベルの水準となっていた。
・これらの経緯を踏まえ、ディズニーは、
『シャンチー』を公開から45日間は劇場独占とし、それ以降はDisney+でも配信する方針に変更。これにより『ブラック・ウィドウ』を含むDisney+プレミアアクセスの同時公開対象作品の上映を見送っていた前述の大手配給会社の運営劇場でも、2019年6月の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』以来、2年ぶりにMCU作品が上映された。コロナ時代に折り合いを付けた上映方式といえる。

③MCUシリーズとのトリビア
・序盤のバスの中の撮影男は『スパイダーマンホームカミング』でも大はしゃぎなミーハー役で登場。
・『ブラック・ウィドウ』登場のレッドルーム出身「ウィドウズ」のヘレンがマカオの闘技場で格闘。
・『ドクター・ストレンジ』盟友の魔術師ウォンの登場し、『インクレディブル・ハルク』のヴェランであったアボミネーションと闘技場で格闘。
・『アイアンマン3』でテン・リングスのリーダー「マンダリン」の影武者俳優、トレヴァー・スラッタリーが主要キャラクターとして再登場。
・ミッドクレジットシーンに、アベンジャーズ主力2名が登場。(うち1名は、監督の過去作品つながり?)

④結び…本作の見処は?
「かめはめ波」はグローバルワード
○: 世紀の迷作『エアベンダー』のような怪しいカンフーアクションに陥ることなく、マーベルの世界観に合わせ、最低限のリアリズムを保った作品内容となっている。MCU他作品との距離感も程よく、MCU未鑑賞の方でも充分に楽しめる娯楽作品。
○: 竜、麒麟、妖狐、狛犬など、アジア人なら(キリンビールのラベルなどにて)、目にしたことがある中国の創造的な生物が、CGにて躍動感をもって描かれている初めての作品。
○: サンフランシスコの坂道を急降下で滑走する路線バスのカーチェイスは、名作『スピード』に負けないくらい良く出来たアクション・シーン。
○: ミッドクレジットから、誰もが知っているイーグルスの名曲につながる流れは、MCU作品の中でも上位レベルの面白さ。
▲: ター・ロー村のラストバトルは、ファンタジー色が強すぎて食傷気味な演出。英語にてコミュニケーションをとる村民にもトンデモ設定感あり。

本年初の劇場鑑賞作品となりました。
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