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地獄:二つの生のUえいのレビュー・感想・評価

地獄:二つの生(2006年製作の映画)
3.0
ヨン・サンホ監督の短編アニメーション。この監督のアニメーションは一度見たら忘れられない独特さがある。今敏監督が好きらしいが、本作は「週刊ストーリーランド」っぽい不思議さもあった。

死んだら天国と地獄に行くという世界が描かれ、死ぬ少し前になると、いつ死ぬか、どちらに行くかを天使が予告してくれる。

二つのストーリーで構成され、前半では地獄行きが決まった男が逃げ、後半では天国行きが決まった女が逃げる。例え天国に行けても、死ぬ事が確定していたら幸せなんだろうか、地獄に行ったとしても現実で生き抜く事が重要なんじゃないかと考えさせられる。

地獄では今まで体験した痛みの10倍の苦しみを味わうが、この描写が結構グロい。悪魔の様な黒ずくめの男たちが数人やってきて、暴行や生皮を剥がされたりする。ロトスコープ的な質感で描かれるこれらのシーンはリアリティがむき出しになっていて印象に残る。奥浩哉作品と近い感覚かも。

動きのリアルさに加え、日本のアニメだと描かれない汚さや生活感が現実感を増幅させる。鏡の汚れなど普通は描かないだろうし、人物の顔はどこにでもいるようなデザインだ。実写に近い感覚のアニメーションが病みつきになる。
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