安堵霊タラコフスキー

サイエンス・オブ・フィクションズの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

2.5
mubiとかで配信されるような作品にありがちな、雰囲気は悪くないけど何を描きたいのか不明瞭系の映画。

身体的かつ精神的な障害を抱えて月面の宇宙飛行士みたいな生活を強いられる男って設定は良かったのに料理の仕方が中途半端で上手くないせいか男の姿を見てても何の感情も抱けず、男の友人とかの描写もあったのだけれどこれまたどですかでんの如き煮え切らなさのある微妙な代物で、こいつらに焦点当てる時間をもっと主人公に割くべきだったと勿体無い気持ちになった。

SF映画のオマージュとかが大量にありそうなタイトルにもかかわらずSF要素が全然前に出ていない点にも不満を抱いてしまい、こんな思わせぶりなタイトルを付けず「アストロノートオンザグラウンド」的なシンプルなものにしておくべきだったのではとつい訝ってしまった。

前半のモノクロの質感とか変にイルミネーションが施された車や無駄に存在感のある日本製ユニフォーム等の謎要素は嫌いじゃなかったけど(後者に関してはもっと堤幸彦ばりに強調しても良かった気はするが)、全体的にそれこそ月面のようにフワッフワした描写が続いたから退屈感も強く覚えて残念だった。