タイのペンエーグ・ラッタナルアーンや日本の斎藤工など各国で活躍するアジアの6つの国の若手監督が、それぞれの国の文化や社会の中で培われてきた「伝承(=フォークロア)」をテーマにした『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBOによるオリジナルアンソロジーホラーシリーズ第一弾。
第一弾はインドネシアホラー界を牽引中のジョコ・アンワルによる母子ホラー。
息子を溺愛する余り、学校にも行かせず自分のそばに置いているシングルマザーのムニル。
しかしお金もなく住んでいるところを追い出されたムニルは掃除の仕事を受けた空き家に息子と勝手に移り住むことに。
しかしその家は屋根裏から奇妙な物音が聞こえたりとなんかオカシイ。
ムニルは屋根裏に行ってみるとなんとそこには子供たちが何人も監禁されていたのだった。
どうやら母親から捨てられた子供たちを悪霊が拐っていたのだがそれを解放しちゃったムニルに悪霊さん激おこ。
ムニルに自分の子供を捨てさせようと幻覚や悪い夢を見させてムニルをどんどん追い詰めていくってやつ。
うーん。
ジョコ・アンワル監督作の中でも一番おもんなかったです。
アンワル監督作は初期のサイコスリラーっぽいのが好きだけど悪魔の奴隷くらいからオカルトもんになってまぢその辺のポンコツ監督と似たり寄ったりな感じであんまりハマらなかったです。
悪霊さんのせいでムニルさんが激おこしてめちゃ息子に手をあげたりするクソババアになっていってまぢ見ててムカつきました。
日本でもそうだと思うけどインドネシアには育児放棄とか親に愛されず虐待を受ける子供が社会問題になっているらしく、そんな子供達を連れていく悪霊の言い伝えというのが今回のテーマっぽいですがほぼタッキーの『こどもつかい』やんけ。
タッキーよりは割とまともな悪霊さんと母親のラストの愛がちょい感動的な感じで終わるけどラストまでのとある''仕掛け''はアンワル監督っぽかったですね。
それにしてもアジアのお化けさんってアメリカとかのキチガイ怨霊とかと違ってジメジメしてるけど人の血がしっかり通っているというか、どことなく悲しいお化けさんが多めですよね。
今回のお化けさんもただ怖がせるだけじゃなく、しっかりと意味があるのがアジアだなぁと思いました。