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私の知らないわたしの素顔のjunのレビュー・感想・評価

私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)
3.5
ただのSNSなりすましの話かと思いきや、そんな単純なものではなかった。ある1人の女性が見せる“若さと美への異常な執着”そして恋愛への“依存心…”
顔の見えないやり取りが当たり前の昨今、どこででも起こりそうなちょっとリアルでゾッとするお話です。

主人公クルーレは大学教授として仕事をしている50代シングルマザー。パリの高層マンションで息子2人を育てていた。夫と離婚後、年下の彼氏がいたがあっさりフラれてしまう。だが諦めきれないクルーレは彼の友人アレックスのSNSに《24歳のクララ》と身分を偽って近づく。初めは元カレとの復縁目的だったが次第にアレックスに惹かれ始める。幾度となく電話をする内お互いに恋心を抱き始めついにアレックスから『直接会いたい』と言われるがーー


《以下ネタバレあり》










主人公クルーレは自立した女性だし見た目も十分美しいのになんでこんなに自己肯定感が低いのかなーと思ったら、旦那が自分の姪っ子と不倫の果てに結ばれていたなんて…。そりゃ自信なくすわ。若さや美貌に執着する理由もそれなりに理解できた。
でも彼女には2人の息子がいるしそこが終盤にかけておざなりになっていたのがちょっと引っかかった。
子供が目の前で待ってるのにカレとの電話に夢中で駐車場ぐるぐる🌀何周もするのとか我を忘れすぎ…💧
挙げ句『子供の顔忘れたのかな…』とか我が子に言われる始末。

若くて綺麗な女性に夫を奪われたトラウマは同じように若くて素敵な男性に選ばれるということでしか克服できないと思っての行動なんだろうけど、、、
大学教授にまで上り詰めるには相当な努力があったはず。歳をとって若さと引き換えに得たものもたくさんあったろうに😮‍💨
しっかりしてくれと言いたくなった。

あとアレックスはよくクララの声が好きと言っていたけど声って年齢出ると思うんだけどな。20代と50代じゃ歴然じゃ??
そこが凄く違和感があった。

駅でアレックスを見つめるシーンは切ないはずなんだけどなぜか笑ってしまった。あんな至近距離でじーーーっと見つめられたら視線感じるよね💦私だったら絶対二度見するけどな。笑


静かな図書館で何の躊躇いもなく電話をするあたり、何かにのめり込むと周りが見えなくなってしまうタイプのよう。
すごーく恋愛体質なお母さんっていう感じでちょっと受け入れ難かったかな💧



だけど‼︎‼︎
リュドの嘘はもっと受け入れ難い。
2人の関係が許せなかったとはいえ、その嘘はダメよー。重すぎる十字架だよー。それを本気にしてクルーレが後追い〇〇したらどうするつもりだったのか…😩
まぁ、嘘だろうとは薄々気づいたけど。。


とにかく物語が二転三転するので感情の忙しい映画でした。
最後、あの派手なスマホカバーの意味がここで発揮されるとは。一目で誰が誰にかけたかがわかってしまう場面はなかなか秀逸でした。
だからこそ、そこでまた『うーわっ…』てなる。懲りたのかと思えば『結末は一つじゃない』って…どんだけポジティブ…
まさにサスペンスなラストでした。
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