アマプラに来ていたので見ました。
いまさらですが、これ本当にすごい映画ですね!
女性へのレイプという深刻な話題を扱いつつ
スリラーでありながらポップ。映画としての面白さとメッセージ性のバランスが絶妙です。
必要以上のベッドシーンも、暴力流血シーンも控えめで、辛いシーンはあるものの、多くの人におすすめしたい映画でした。
終盤、主人公キャシーがナース姿でいざゆかんとするシーンで流れるToxicのアレンジがあまりにぴったり。
恐ろしいシーンなのに、思わずいけいけ!とテンション上がってしまいました。
ポップな曲がこんなに不穏になるなんて驚きですし、
”有害な男らしさ”という文脈でよく使われるtoxic(有害、毒)というダブルミーニングもよく効いています
毒を持って毒を制す…
キャシーのやっている復讐は許されることではないけど、筋が通っていて決してサイコじゃないことが、一周回って哀しい。
「華麗なるギャツビー」など、可憐な印象のあるキャリーマリガンがこの役を演じることの意義。あのドスの効いた低い声!最高でした。
メモとして。
この映画を見て思い出したのは学生時代に見たピピロッティリストの初期ビデオ作品群。
キャシーが暴言を吐いた男の車の窓ガラスを割るシーンは唐突感がありましたが
これは
”Ever is all over” にそっくり(笑顔で道ゆく車の窓を割っていく女性の映像。水色のワンピースも既視感)
ケチャップで血が垂れているように見えるオープニングクレジットも”Blutclip”(月経をイメージさせる映像)に似ているような。
ピピロッティもまた、女性の解放というテーマをポップミュージックと合わせたビデオ作品を作るアーティストです。
併せて見てみて、オマージュじゃない?!と思いを馳せるのは楽しかったです。