便所の落書きが地獄に落ちるとこうなる。
「それっぽい効果音をかけて、それっぽい陰影をつけて、それっぽい間を取ってるから、どうですコレ怖いでしょう?www」というような、死ぬほど浅薄な魂胆による恐怖表現の反復に、申し訳ないんですけど僕は殺意すら覚えましたね。
〈恐怖とは段取りである〉とは言ったもので、小中理論を引用すれば、〈観客が恐怖というエモーションを抱くまでには、段階的な情報を提示していく必要がある〉。しかしながら本作は、物語的な段階性を構築する素振りもなく、ダラダラと冗長で浅はかな恐怖演出を、ただただ無思慮に垂れ流す事に終始しているワケです。
ひとりかくれんぼをやる前の人物にも、平気で怪異が起きてるって一体どういう事なのか。果たしてそれの何が怖いと思って脚本が書かれたのか。このような愚かな行いを、未然に阻止する事の出来なかった我々人類を、神よどうかお許し下さい。
実体として現れる霊もまたエラいもんで、2009年の映画にして、ここまで稚拙な貞子&伽椰子のエピゴーネンっぷりを発揮できるって最早尋常じゃないですよコレ。素人でも出来ないんじゃないか。なんというか、作り手としての最低限の意地とか、プライドとか、もっとこう…あるだろう!僕はもう目を疑いましたし、疑った目が腐って死んで怨念に変わりましたね。
もうこの際だから言うけれども、冒頭の冒頭でぬいぐるみに米を入れるシーンがあるんだけど、その入れ方がスゲー雑で、米がこぼれまくっていて、正直僕はその段階から既にイラッときていましたよ。オレはお前のこと、最初からそれなりに嫌いだったぜ!
「ひとりかくれんぼ」について言えば、当時の検証実況スレを読んだ方が何億倍も有意義な事は間違いないと思う。しかしながら本作の、「2ちゃんねるばかり見ていると、こんな映画が出来上がってしまいますからね」という強烈なメッセージには、それはもう熱く胸を打たれた次第です。