垂直落下式サミング

シャザム!~神々の怒り〜の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)
3.5
神々の怒りを買ってしまったシャザム。スーパーパワーを取り上げようと、巨大なモンスターを引き連れた恐怖の神様三姉妹が地球にやってくる。シャザムは仲間たちを守るため、神々との戦いに挑むが…。
前作に引き続き、わりかし面白いコミックヒーロー作品だった。特に、人をヒーロー足らしめるのは精神性だってことに注力したストーリーの筋が気に入った。
誰かを救えないなんてことは、無敵のシャザムには許されない。だけれど、その責任を背負っているのが十代の子供っていうアンビバレンツにドラマが生じる。外付けのパワーであるがゆえ、力を欲するものに狙われるし、仮にパワーがなくなったとしても君の魂はヒーローでいられるか?という問いに切実さがある。いい設定だとは思う。
恐怖の三姉妹と言われるあのオバチャンたちはアトラスの娘なのか…。Atlasの“A”なんか要らねえなんて言ってごめんよ。
可もなく不可もないようなアクション作品だけれど、それじゃあ許されないのが昨今。確かに絵としての驚きがない。ほんと、平凡なVFXが画面上にのっぺりとして、アクションシーンのほとんどが人工的に作られた映像ですよってカンジで冷める。CGをドカドカ使えばいいってもんじゃないし、キレイすぎる幻想のなかにワイヤーでつられた人間がいると、滑稽にうつる。
『ブラックアダム』なんて顕著だったし、わりと高く評価した『フラッシュ』に関しても、ドラマパートとアクションシーンで画面の色合いが解離していたのは、多いに不満だった。
DCコミック映画は、ジェームズ・ガンの方針になってからも、あんま期待できないな。もうさ、マーベルの真似したシェアードユニバースやめりゃいいじゃん。自分で自分の手足を縛っちゃってんだもん。一個一個別々に作りますって、そのほうが産業として健全で正しいと思う。競うな!持ち味をいかせ!