ひと1人が収まる謎の空間でいきなり目が覚めた女。完全に記憶を失っており、誰に何の目的でここに入れられたのか思い出せない。身体中にはたくさんの管が刺さって生命維持を管理されている上、精密機器が内側に張り巡らされている。そしてこの密閉空間に残された酸素の量は20%。残りの空気が無くなる前に自分は何者なのかを思い出して、絶望的なこの状況を回避しなければ！な話
洪水×ワニの「クロール絶対領域」や「ヒルズハブアイズ」などでおなじみのアレクサンドル・アジャ監督のネトフリオリジナルスリラー。閉塞空間でメインキャストは1人という「ブレーキ」や「リミット」を彷彿とさせるよくある密室シチュエーションだけど、記憶が無さすぎてここがどこかも分からない凄まじく恐ろしい状況下でAIとコミュニケーションを取りながら自分探しと危機的状況脱出を並行してやるという難易度の高さはなかなかどうしてスリリング。AIが万能でかなりのことが出来てしまうことを利用して謎を解いていく過程は今までにない感じで良かったな
中盤以降に判明する密閉空間の向こう側はまあだいたい予想できるものの、自分のことを思い出した時に判明するさらなる事実はなかなかツイストが効いていて最後まで楽しく見れました。小粒ながらSF感たっぷりで満足度はけっこう高めです。ただ、フランス語のブツブツいってる感じとAIの抑揚のない声により、かなり強めの眠気を襲いかかってくるのが玉に瑕。不眠症に悩まされる方も一度見てみるといいかもしれませんね。敬具
