きみどり

ボーはおそれているのきみどりのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
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な、な、な、長かった…! 

配信だったら迷わず途中でやめたと思うので劇場に行って正解。面白いレビューを書いて下さったフォロイーさん達よ、ありがとう。

↓ 以下、どうでも良いパーソナルなお気持ち情報がグダグダ長いです。

わたしの母は、愛はあったがそこそこ厄介な人である。かつ夫はこれまた愛情深い母親と絶縁していて、そのプロセスをそばで見ていたので、母親への愛憎というテーマは記憶の痛点をグッサグサに刺してくるはず。
しかし、亀の甲より年の功なのか。自分、図太くなったなあ。10年前なら泣き崩れてたかもっていうシーンでケラケラ笑ってしまった。いやこれはアリ・アスター監督の力量のおかげだな。

終盤、激昂した彼女がボーに罵詈雑言を浴びせるシーンがあったが、あれ9割がた言われたことあるわー😅
あとうちの母は私に何か気に入らないことがあるたび、超長文で恨み辛みをつづった絶縁状を送ってくるんだけど、これもボーのママの「死んでやる!」に似てる。まったく、世のオカンはどいつもこいつもやること同じだねえ(←自分に盛大にブーメランしてますよ?) 
父親の存在感の薄さが病根にあるのも万国共通のあるあるなのか。精神科医の斎藤環が、母子問題のラスボスは父親だと繰り返し言ってるのを思い出す。屋根裏のアレな…。


さて、わたしがいい年して母親との共依存戦争に明け暮れている間に、息子は静かに育って進学で家を出た。5年も離れると、もはや手が届かないよその人みたいな感じすらある。

夫が母親をバッサリ切り捨てたのが怖かったし、親が子におんぶお化けすることの弊害は身に染みていたので、思春期以降は意識的に彼と距離を取っていた。だって子に嫌われたくないじゃないですか。
そしたら後に「冷たくて、好かれていないのかと思っていた」と言われまして。ええもう、平謝りでございます(滝汗)。

結論:お家にぶじ帰るまでが遠足ならば、成長した子に育て方をなじられるまでが子育てです。知らんけど。


- 斎藤環はじめ親子問題の専門家たちによれば「息子は我慢の限界が来たら親をあっさり切る。悩んでバトルするのは娘」なんだそうな。ボーが母親を切らなかったのはなんでかな。
→追記:ボーは親から自立できなかった弱者男性だからなんだって。納得。

- 先日たまたま読んだ春日武彦と坂口恭平の本が共に、母親と息子の桎梏もの(なんで同時にこんなの引いたんや…)。こじらせ具合にドン引きして読後に寝込んでしまった。アリ・アスターは鑑賞後にわりかし元気になる。

- 田舎の映画館で平日午前の上映回の割にはお客がいた。しかも半数は男性。感想聞きたかった!

長いけど観てよかった。それにしたって長過ぎるけど。
きみどり

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