しろくま

決戦は日曜日のしろくまのレビュー・感想・評価

決戦は日曜日(2022年製作の映画)
3.4
《うるさいなあ。あんた何言ってんの?撤回しなさい!》
〝撤回しませんけど〟〝はあ?このクソガキが。何生意気なこと言ってんのよ〟〝痛い。痛い。ちょっと待って〟〝ちょっと、謝んなさい。この~!殺すぞ〟

〝殺すぞ〟と言って騒いでいるのが、もうすぐ迎える衆議院選挙で立候補を表明している川島有美(宮沢りえ)。少子化問題で失言騒動を起こしたばかりなのに、今回はユーチューバーに腹を立てて取っ組み合い。過去の未成年との飲酒疑惑も発覚し批判の声が広がっていて、まさにトラブルメーカーって感じ。

病に倒れた衆議院議員のオトンの後継者として白羽の矢が立った娘の有美。自由奔放で世間知らずのお嬢様。当選すれば、俗にいう二世議員になるのだけど、やることなすことトンチンカンで、スピーチをしてても〝かくかくがべんえて、かえごとをめんれるのは何かということなのです〟って何?原稿をどう読み間違えればそうなるの?

そんな彼女をサポートしているのが事なかれ主義の議員秘書・谷村勉(窪田正孝)。謎の熱意だけはある有美に振り回され、身も心もすり減らして…。その上、後援会のお偉いさん達からは、ああしろこうしろと注文をつけられることも多く、政界にはびこる古くからの慣習に納得がいかない有美が、やりたくないと駄々をこねる始末。ただ、あっちの世界の闇はかなり深くて、これまで非常識に思えた有美の言動がまともに見えるほど。恐るべし政界の裏事情。

そういえば、そんな事件があったよねえっていうような〝やっちゃダメでしょ〟ってことのオンパレードで、突き抜けていく宮沢りえさんのお騒がせ振りが見事。大炎上して話題を振りまく前代未聞の選挙戦。そんな候補者に我が国の政治を託しても大丈夫?タイトルの〝決戦は日曜日〟って当落が分かる投開票日のことだけど、どうなることやら…。

視聴メモ:2023.10.25/162/図書館DVD
しろくま

しろくま